ヒオリテスと呼ばれる動物の殻の中で暮らすペニスワームの想像図/Courtesy Prof Zhang Xiguang/Yunnan University (CNN) 5億年以上前の太古の海に暮らす蠕虫(ぜんちゅう)状の海産無脊椎(せきつい)動物の一種「鰓曳(えらひき)動物」は、他の動物が持つ殻の中に潜り込み、外敵から身を守っていた。そうした内容の新たな研究がこのほど発表された。 鰓曳動物は男性器に似た形状から「ペニスワーム」とも呼ばれる。今日のヤドカリのような殻に入る習性が確認された最古の事例となる。 ペニスワームがヤドカリのように暮らしていたとする見方は、中国南部の雲南省で見つかったカンブリア紀にさかのぼる化石の分析から明らかになった。化石にはペニスワーム4匹の軟組織のほか、円錐(えんすい)形の殻に由来する物質の痕跡も残っていた。殻は元々ヒオリテスと呼ばれる動物のものだったと考えられる。