この小説、タイトルは聞いたことがあるけど、実際に読んだことがないという人は意外に多いようです。 しばしば「あー、桜の樹の下には死体が埋まっているって話でしょ?」と言われます。いえいえ、それは梶井基次郎の「桜の樹の下には」という短編小説です。ちなみにこの梶井基次郎の誕生日は、安吾の命日と同じ2月17日です。 また時には、「それって、野田秀樹がやった芝居だ!」と言われますが、いえいえ、それは「贋作 桜の森の満開の下」という野田さんの有名な戯曲です。確かに原作は一緒ですが、「贋作」と命名されているように、安吾のほかの作品もミックスされた野田オリジナルな作品です。 「じゃあ、今回のモーメンツ版『桜ノ森ノ満開ノ下』ってどんな話?」と思われるでしょう。 それは劇場でのお楽しみということに・・・。なぜなら、私は作品世界を文章で説明するのは余り好きではありません。それに原作を知らない人にも充分楽しめる作品
1901(明治34)年の今日、梶井基次郎の誕生日(-1932)。 そして1955(昭和30)年の今日、坂口安吾の命日(1906-)。 二人の文学者には意外な共通点があって、それが『桜』です。 梶井基次郎の有名な掌編『桜の樹の下には』は1927(昭和2)年10月の発表。 それに対し、安吾のこれも有名な短編『桜の森の満開の下』の発表が1947(昭和22)年6月。 梶井の作品のちょうど20年後の作品で、僕は安吾のことは詳しくないが、恐らく安吾は梶井の『桜の樹の下には』を、このとき相当意識していたと思う。 冒頭がよく似ているのだ。 桜の樹の下には屍体が埋まっている! これは信じていいことなんだよ。 このあまりにも有名な出だしで始まる梶井の掌編では、これも有名な梶井の個人的イメージ(偏見ともいいますw)、すなわち 桜の樹の下には屍体が埋まっている!=咲き誇った桜の眺めは怖い が、極めて手際よく語られ
この項目では、江戸時代中頃に起きた粛正事件について説明しています。これを基にした舟橋聖一の歴史小説については「絵島生島」をご覧ください。 この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "江島生島事件" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL(2012年10月) 生島新五郎(左)と江島(絵島、右) 江島生島事件(えじま いくしま じけん)は、江戸時代中期に江戸城大奥御年寄の江島(絵島)が歌舞伎役者の生島新五郎らを相手に遊興に及んだことが引き金となり、関係者1400名が処罰された綱紀粛正事件。絵島生島事件、絵島事件ともいう。 経緯[編集] 正徳4年1月12日(1714年2月26日)、
『星の王子さま』はその教訓に富んだ物語が大人のための童話として人気で、今や世界各国で莫大な販売部数を誇る名作です。 しかし物語も秀逸なのですが、物語に付随して出てくる「絵」も、実は示唆に富んだものとなっています。今回はその『星の王子さま』の挿絵について解説をしたいと思います。 『星の王子さま』の絵(イラスト)には戦争が絡んでいる 第二次世界大戦は、1939年から1945年までの6年間、日本・ドイツ・イタリアの日独伊三国同盟と、イギリス・ソビエト連邦・オランダ・フランス・アメリカ・中華民国などの連合国との間で起きた戦争です。 サン=テグジュペリが『星の王子さま』を書いたのは、第二次世界大戦中であり、サン=テグジュペリはアメリカへ亡命中にこの作品を書き上げました。 サン=テグジュペリが『星の王子さま』を執筆中、母国フランスは劣勢であり、そのことからこの本には戦争へのメッセージが織り込まれている
先週、小耳に挟んだのだが、リカルド・コッキとユリア・ザゴルイチェンコが引退するらしい。いや、もう引退したのかもしれない。ショウダンス界のスターコンビだ。とびきりのダンスを見せてきた。何度、堪能させてくれたことか。とくにロシア出身のユリアのタンゴやルンバやキレッキレッの創作ダンスが逸品だった。溜息が出た。 ぼくはダンスの業界に詳しくないが、あることが気になって5年に一度という程度だけれど、できるだけトップクラスのダンスを見るようにしてきた。あることというのは、父が「日本もダンスとケーキがうまくなったな」と言ったことである。昭和37年(1963)くらいのことだと憶う。何かの拍子にポツンとそう言ったのだ。 それまで中川三郎の社交ダンス、中野ブラザーズのタップダンス、あるいは日劇ダンシングチームのダンサーなどが代表していたところへ、おそらくは《ウェストサイド・ストーリー》の影響だろうと思うのだが、
『荒地』(あれち、The Waste Land)は、T・S・エリオットの代表作である長編詩。 1922年『クライテリオン』創刊号に発表された。全5部からなり、「死者の埋葬」「チェスのゲーム」「火の祈り」「水のほとりの死」「雷の言ったこと」と題され、第一次世界大戦後の西洋の混乱を前衛的な表現で、古典文学からの引用をちりばめて綴った難解なものである。 「荒地」は死の国のことで、「April is the cruellest month,」という破格の一節がきわめて有名である。さらにセックスの荒廃と、その創造性とを描き、死と荒廃の支配と希望を描きつつ、いずれとも結論は示されない。ジェームズ・フレイザー『金枝篇』などに学んだ古代文化の死と復活の主題が織り込まれている。[1] 日本でも大きな影響を与え、特に戦後の鮎川信夫らの詩誌『荒地』はこれをそのまま題としている。1938年に上田保が初めて日本語訳
清 少納言(せい しょうなごん、旧字体:淸 少納󠄁言、康保3年頃〈966年頃〉 - 万寿2年頃〈1025年頃〉)は、平安時代中期の女房、作家、歌人。随筆『枕草子』は平安文学の代表作の一つ。歌人としては中古三十六歌仙、そして女房三十六歌仙の一人でもある。 名前[編集] 正確な生没年や本名は不明である。生没年は、岸上慎二による推定である。本名については、江戸時代の国学者多田義俊は『枕草紙抄』において清原諾子(きよはら の なぎこ)としているが、根拠は示されていない[1]。この『枕草紙抄』は考証家伊勢貞丈の遺稿集『安斎小説』にそのまま引かれたため、貞丈の著作として広まった[2]。ただし、貞丈は義俊について「偽を好む癖あり。豪傑なる者なれども其偽大瑕なる可惜哉。彼が著述の書、引書疑しき者多し。」と述べており、また『枕草紙抄』以外の書物に諾子という名前は確認されていない。 「清少納言」は宮中での女
汽車が大船を離れた頃から、信一郎の心は、段々烈しくなつて行く焦燥(もどか)しさで、満たされてゐた。国府津迄の、まだ五つも六つもある駅毎に、汽車が小刻みに、停車せねばならぬことが、彼の心持を可なり、いら立たせてゐるのであつた。 彼は、一刻も早く静子に、会ひたかつた。そして彼の愛撫に、渇(かつ)ゑてゐる彼女を、思ふさま、いたはつてやりたかつた。 時は六月の初(はじめ)であつた。汽車の線路に添うて、潮のやうに起伏してゐる山や森の緑は、少年のやうな若々しさを失つて、むつとするやうなあくどさで車窓に迫つて来てゐた。たゞ、所々植付けられたばかりの早苗が、軽いほのぼのとした緑を、初夏の風の下に、漂はせてゐるのであつた。 常ならば、箱根から伊豆半島の温泉へ、志ざす人々で、一杯になつてゐる筈の二等室も、春と夏との間の、湯治には半端な時節であるのと、一週間ばかり雨が、降り続いた揚句である為とで、それらしい乗客
この項目では、バロネス・オルツィの小説について説明しています。 原義については「アカバナルリハコベ」をご覧ください。 宝塚歌劇団の舞台化作品については「紅はこべ (宝塚歌劇)」をご覧ください。 本作に着想を得たミュージカル作品については「スカーレット・ピンパーネル」をご覧ください。 『紅はこべ』(べにはこべ、原題:The Scarlet Pimpernel)は、バロネス・オルツィ(オークシイ)作のイギリスの小説。1905年にロンドンで出版された。 概要[編集] 本作は1902年に完成していたが、持ち込んだ出版社すべてに出版を断られた。作品の出来に自信のあったオルツィは、これを戯曲化する。この戯曲は1903年のノッティンガムでの上演を皮切りに、イギリス各地で上演される。1905年にはついにロンドンで上演され、4年間のロングランとなった。すると今度は出版社のほうから「ぜひとも小説版紅はこべを出
六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ、ろくじょうみやすどころ)は、『源氏物語』に登場する架空の人物である。桐壺帝時代の前東宮(前坊)の妃で、六条京極(現在の京都市下京区本塩竈町附近)に住まいを構えていることからこの名がある。光源氏の最も早い恋人の一人。 強い嫉妬のあまり、生霊として人を殺すなどの特異性から、多くの作品の題材ともなってきた。 生涯[編集] 東宮の死後、年下の光源氏と恋愛関係に陥る(この間のなれそめが『源氏物語』では欠落している。源氏物語参照)。源氏は、美しく気品があり、教養、知性、身分ともに人に優れているために矜持の高い彼女をやがて持てあますようになり、逢瀬も間遠になる。源氏にのめりこんでいく御息所は、彼を独占したいと渇望しながらも、年上だという引け目や身分高い貴婦人であるという誇りから素直な態度を男に見せることができず、自分を傷つけまいと本心を押し殺す。 この自己抑圧が、
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