この小説、タイトルは聞いたことがあるけど、実際に読んだことがないという人は意外に多いようです。 しばしば「あー、桜の樹の下には死体が埋まっているって話でしょ?」と言われます。いえいえ、それは梶井基次郎の「桜の樹の下には」という短編小説です。ちなみにこの梶井基次郎の誕生日は、安吾の命日と同じ2月17日です。 また時には、「それって、野田秀樹がやった芝居だ!」と言われますが、いえいえ、それは「贋作 桜の森の満開の下」という野田さんの有名な戯曲です。確かに原作は一緒ですが、「贋作」と命名されているように、安吾のほかの作品もミックスされた野田オリジナルな作品です。 「じゃあ、今回のモーメンツ版『桜ノ森ノ満開ノ下』ってどんな話?」と思われるでしょう。 それは劇場でのお楽しみということに・・・。なぜなら、私は作品世界を文章で説明するのは余り好きではありません。それに原作を知らない人にも充分楽しめる作品