檜誠司(ジャーナリスト、英日翻訳・研究家) 【まとめ】 ・1969年佐藤・ニクソン会談。対米繊維輸出自主規制について佐藤首相が「善処します」と答えた。 ・通訳者が“I will do my best.”と訳し、米側は日本が自主規制に積極的と誤解したとされる。 ・繊維摩擦はこじれにこじれ、「世紀の誤訳」といわれた。 「善処します」誤訳伝説とは何か。その起源はほぼ半世紀前の1969年11月の佐藤栄作総理とニクソン大統領との間で行われた日米首脳会談にまでさかのぼり、通訳に誤りがあったと言われる。 ニクソンから対米繊維輸出の自主規制を求められた佐藤が「善処します」と答えたところ、通訳者が“I will do my best.”と訳したが、ニクソンは日本が自主規制に積極的であると解釈したという内容だ。 佐藤は「前向きに検討します」と発言したとの説もあるが、最も話題になるのは「善処します」だろう。日本