米マサチューセッツ工科大学の研究チームはこの度、量子暗号通信のための新たなプロトコルを発表。 このプロトコルにおいては、いわゆる「量子鍵配送(QKD)」よりもノイズによる信号ロスが少なくて済み、かつ受信した1ビットごとに1ビットが送信されるので、量子鍵配送が抱えていた障壁を克服することのできる可能性があるとしている。 プロトコルの試験的実装に関してはPhysical Review Lettersに詳述され、彼らによる理論的な予測がもれなく裏付けられている。 現段階では、このプロトコルは光伝送から単純に光を吸い上げるような「受動的な」傍受者に対してのみ、安全性が担保されるといい、別の光を通信チャネルに注入するような「能動的な」傍受者に対しては効き目がないとしているが、この点さえ克服することができれば、情報を長距離間にわたって安全に交換することがこのプロトコルにより可能になるだろうとしている。