2016年06月12日08:14 カテゴリ本 昭和史の決定的瞬間 民進党の江田憲司氏がこう書いている。国債は、子や孫たちへの「借金のつけ回し」、ってよく言われますよね。我々世代は将来の世代に借金を残しちゃいけないんだと。でも、ちょっと考えれば、これっておかしいって思いません? あなたが国債を買えば、それは「財産」でしょ。1935年に高橋是清が赤字国債の発行を減らそうとしたとき、陸軍も「国債は国民の債務なると共にその債権なるを以て何ら恐るるに足らず」と反対し、高橋は暗殺された。江田氏は、二・二六事件の青年将校の同志らしい。 しかし1930年代を軍部独裁の「暗い谷間の時代」と思うのは間違いだ。30年代前半には、民政党の斉藤隆夫が「粛軍演説」で軍を批判し、普通選挙で無産政党などの「民主勢力」が躍進した。日本を戦争に引きずり込んでいったのは、「国家改造」のために陸軍に協力した無産政党だった。資本主