皆さんは日本という国をご存知だろうか。 世界の東の果てにある、小さな小さな島国。食、言葉、建築、生活様式といった文化、そしてその歴史においても他国とは全く違うその国には、勤勉に働き、慎ましく生きることを良しとする、日本人が住んでいる。四季にあふれた気候と、山と海に囲まれた土地で育まれた独特の美意識、価値観を持った彼らは、しかし西洋の大国と並ぶほどの経済力で世界にその名を広く知られている。俺はそんな国の、ほんの少しだけ特殊な環境で育った。 西洋文化を好む両親の下で、白人と日本人のダブル*1の幼馴染みと共に育った俺にとって、この国はあまりに小さく、物足りないものだった。物心ついた頃に北アメリカへ行った経験がその感情をさらに強くした…ヨーロッパやアメリカと違って、地味な食事、リズム感のない言葉、無愛想な人と街、内向的な国民性が、俺にはとてもつまらないものに思えた。いつか海を越えて、もっと素晴らし