34年ぶりの円安と株高。いま世界のマネーの流れが大きく変わろうとしている。その一方、国民の暮らしは物価高などで"景気回復"を実感できないまま...ニッポンが"豊かさ"に溺れたバブル期と「失われた30年」を経たいまは何が違うのか。転換点を迎えている日本経済とマネーの行方を追う。さらに日銀のマイナス金利政策解除で「金利ある世界」が復活しようとしている。長く続いた低金利に慣れた中小企業や金融機関は、未知の金利上昇時代をどう生き残るのか。ある町工場の親子と信用金庫の社員に密着。金融市場で起こり始めた地殻変動の最前線を描く。 株の街、東京・兜町。取引がない閑散とした日曜日、ビルの一室に約300人が集まっていた。彼らは中国出身の個人投資家たち。日本の在留資格をもつ会社経営者や富裕層のほか、最近になって株式投資を始めたという20代の若者の姿も。実は、日本の株価上昇の一因は、こうした外国人投資家の巨額マネ