エアバス本社があるフランス・トゥールーズは、ピレネー山脈からボルドー方面にかけて広がるミディ・ピレネー地方の中核都市。航空宇宙産業の中心地というと工場地帯のような殺風景な響きがあるが、その素顔は、豊かな歴史文化が息づく魅力的な古都である。 レンガ造りの街並み、自慢の料理 トゥールーズの街並みは、市街地を流れるガロンヌ川の粘土を焼き固めたレンガで造られており、鮮やかな色彩から"バラ色の町"の名で呼ばれている。切り出した石で造ったパリの白い街並みとは実に対照的だ。建物の外観はどことなく重厚で威圧感があるが、ひとつひとつの商店は明るく魅力的で、商店街も広場も大勢の人でにぎわっている。 日が暮れてからは、広場に面したレストランが次々と開いて、郷土料理とワインに舌鼓を打ちながら夜遅くまで家族・友人と談笑する人々の姿が見られる。 フランス諸都市のご多分に漏れず、トゥールーズも料理自慢の町で、カスレ(白