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ブックマーク / dictionary.sanseido-publ.co.jp (71)

  • 第1回 フランス語はいつから話されていた? | 歴史で謎解き!フランス語文法(フランス語教育 歴史文法派) | 三省堂 ことばのコラム

    ここはある大学のある先生の研究室。中世の研究をしているらしいこの先生のもとには、いつもフランス語の疑問をもつ学生たちが遊びにきます。今日は高校時代に世界史が大好きで大学ではフランス語を履修している学生がやってきたようですよ。 学生:先生、フランス語っていつから話されていたのですか? 先生:今残っている最も古いフランス語の文献は842年に書かれた『ストラスブールの宣誓』 Serments de Strasbourg[注1]という軍事・外交上のテクストなんだ。フランス語のテクストがこの時代に書かれていたのだからフランス語が話されていたのはそれ以前からになるね。でもいつから「フランス語」が話されたとなると、はっきり言えないところがあるんだ。 学生:なぜですか? 先生:フランス語っていうのは、そもそもは古代ローマ帝国領内で話された口語ラテン語がなまった言葉なんだよ。ところで君は世界史選択だったよね

    第1回 フランス語はいつから話されていた? | 歴史で謎解き!フランス語文法(フランス語教育 歴史文法派) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2019/04/20
    中身は間違ったことは書いてないのだろうが、古典文学を模したような会話があまりにもインチキ臭すぎて内容が頭に入らない
  • 第23回―双六から見えてくる東京小学校事情 (1) | モノが語る明治教育維新(唐澤 るり子) | 三省堂 ことばのコラム

    文明開化は、身の回りの景色や文物を急速に西洋風にしていきましたが、その一瞬を見事に切り取って錦絵にしたものが開化絵です。この錦絵が描かれた明治10年前後の東京では、耳目を集めるような小学校の開校があいつぎ、報道マンの役目も担った当時の浮世絵師としての広重の血もさぞ騒いだことでしょう。振り出しの「師範学校」から上がりの「華族学校」まで、東京府内にある43もの小学校が、サイコロを振って出た目の数だけ進む回り双六(すごろく)の形を借りて紹介されています。 「東京」と題目にはありますが、当時の行政区画は「大区小区制」と呼ばれるもので、現在の23区にあたる範囲が11大区103小区(各大区がそれぞれいくつかの小区に分けられている)に編成されていました。錦絵で紹介されている学校は、その中でも皇居に近い第1大区から第6大区までの、今の千代田区(9校)、中央区(10校)、港区(5校)、台東区(4校)、江東区

    第23回―双六から見えてくる東京小学校事情 (1) | モノが語る明治教育維新(唐澤 るり子) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2018/05/09
    “振り出しの「師範学校」から上がりの「華族学校」まで、東京府内にある43もの小学校が、サイコロを振って出た目の数だけ進む回り双六(すごろく)の形を借りて紹介されています”
  • 第25回 ミニマリズム | 続 10分でわかるカタカナ語(もり・ひろし & 三省堂編修所) | 三省堂 ことばのコラム

    どういう意味? (生活・芸術などで)最小限の要素だけを用いる様式・手法・スタイルのことです。 もう少し詳しく教えて ミニマリズム(minimalism)は英語で「最小限である様子」を意味する minimal(ミニマル)と「主義」を意味する -ism(イズム)が組み合わさった言葉です。 もともとは1960年代以降の美術・音楽で「簡素な形やその反復を用いて、最小限の要素で作品を構成する手法」を指していました。 いっぽうこれとは別に近年では、一般社会での用例も増えています。その場合「必要最小限の物しか持たないライフスタイル(生活様式)」を意味します。そのようなライフスタイルの実践者や支持者をさす「ミニマリスト」(minimalist)という言葉もよく聞かれるようになりました。 どんな時に登場する言葉? 一般にはライフスタイルの分野で登場する言葉です。 また美術・音楽・文学・ファッション・建築・デ

    第25回 ミニマリズム | 続 10分でわかるカタカナ語(もり・ひろし & 三省堂編修所) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第138回 「蝉」と「蟬」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「蝉」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「蟬」は人名用漢字なので、子供の名づけに使えます。「蟬」は出生届に書いてOKですが、「蝉」はダメ。どうして、こんなことになったのでしょう。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の虫部には、旧字の「蟬」が収録されていましたが、新字の「蝉」は収録されていませんでした。昭和17年12月4日、文部省は標準漢字表を発表しましたが、そこでも旧字の「蟬」だけが含まれていて、新字の「蝉」は含まれていませんでした。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表1850字を、文部大臣に答申しました。この当用漢字表で、国語審議会は、旧字の「蟬」を削除してしまいました。当用

    第138回 「蝉」と「蟬」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2017/08/03
    “新字の「蝉」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「蟬」は人名用漢字なので、子供の名づけに使えます”
  • 第135回 「愛」と「㤅」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「愛」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「㤅」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。旧字の「㤅」は、下部に夊がくっついて「𢙴」になり、上部の旡が変化して「𢜤」さらには新字の「愛」になった、と考えられていますが、細かいことはわかりません。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表2528字を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、心部に新字の「愛」が収録されていましたが、旧字の「㤅」は収録されていませんでした。文部省は12月4日に標準漢字表を発表しましたが、そこでも新字の「愛」だけが含まれていて、旧字の「㤅」は含まれていませんでした。 昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、心部に新字の「愛」が含まれていて、旧字の「㤅」は含まれていませんでした。国語審

    第135回 「愛」と「㤅」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2017/06/22
    “新字の「愛」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「㤅」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません”
  • 第134回 「麺」と「麵」と「麪」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「麺」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「麪」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「麺」と「麪」が、こういうややこしいことになってしまった一因には、俗字の「麵」の存在があるのです。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の麥部には「麺」が含まれていて、その直後に、カッコ書きで「麵」が添えられていました。「麺(麵)」となっていたわけです。簡易字体の「麺」は、俗字の「麵」に代えて一般に使用すべき漢字、ということになっていましたが、標準漢字表では、旧字の「麪」については触れられていませんでした。 昭和21年11月5日、国語審議会は当用漢字表1850字を、文部大臣に答申しました。この当用漢字表

    第134回 「麺」と「麵」と「麪」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第10回 バッファー | 続 10分でわかるカタカナ語(もり・ひろし & 三省堂編修所) | 三省堂 ことばのコラム

    どういう意味? 「衝撃を吸収するもの」または「余裕」「ゆとり」という意味です。「バッファ」ともいいます。 もう少し詳しく教えて バッファー(buffer)はもともと英語で「衝撃を吸収するもの」、すなわち「緩衝(かんしょう)」を意味する言葉です。 この言葉が持つ中心的なイメージは「何かと何かの間に存在して衝撃を和らげる」というもの。例えば、昔の鉄道車両に付いていた緩衝器(バッファー)は「車両どうしがぶつかり合うときの衝撃を和らげる」ための装置でした。また大国に挟まれた緩衝国(バッファーステート)も「大国どうしの衝突を防ぐ」立ち位置にあります。 コンピューター用語では、一時的にデータを蓄える記憶領域という意味で使われます。例えばキーボードなどの入力装置と、その入力情報を処理する装置の間に処理速度の差がある場合が考えられます。このようなとき、バッファーと呼ばれる一時的な記憶領域が間に入ることで、

    第10回 バッファー | 続 10分でわかるカタカナ語(もり・ひろし & 三省堂編修所) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第299回 皇帝が書かせた手書きの『康煕字典』―前編 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム

    「四庫全書」を調べ直してみようと思った。 これは、清朝の勅撰の一大叢書であり、世界史の教科書にも登場する。時の乾隆帝が、全国から書籍を取り寄せて、学者たちに選りすぐらせたものである。原は接収して、提供者には写を返したと聞く。清朝に都合の悪い内容を検閲したため、禁書に指定して焼いたり、文の字を別の字に改変したりすることもあった。 中国の学者の中には、手っ取り早くこれを用いて調べごとを済ませるだけでなく、論考に文をそこから引用する人までいる。電子版も流布しており、そこには誤入力もあるのだが、とにかく3500点余りの典籍に記された延べ10億文字がすでにデータとして打ち込まれているので、全文検索が可能となり、画像もわりと簡単に入手できるためであろう。さらに、これを包含して余りあるデータベースも、すでに刊行されている。 文献学を学べば、あるいは文献研究をしている人と話すと、これは写として政

    第299回 皇帝が書かせた手書きの『康煕字典』―前編 | 漢字の現在(笹原 宏之) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第6回―九九は九九でも割り算九九!? | モノが語る明治教育維新(唐澤 るり子) | 三省堂 ことばのコラム

    九九は九九でも割り算九九。江戸からの贈物。 数ある掛図の中でも現代人が最も頭を捻るのが、この除算九九図でしょう。九九と言えば掛け算の乗算九九しか思い及ばず、インド式二桁掛け算に驚いているようでは、祖先の知恵に対して失礼というもの。ぜひ、頭に汗かいてこの掛図と格闘してみてください。 明治9年発行の『師範学校改正小学教授方法』によれば、「右の行の一より九までを上の段の一より九までにて割る時は其下に書たる数となる 其読法は上の一を以て右の行の一を割る時は次の行の十分となる 又上の段の二にて右の行の一を割る時は五分となる 其下の二も三も同じ理にて三を五つにすれば六分となるが如し 日算なれば(二一天作ノ五)(三一三十ノ一)(四一二十ノ二)(五一加一)と呼ぶ是なり」とあります。 つまり、上の段の1~9は除数(割る数)、縦の1~9は被除数(割られる数)、交わったところの数字(基、商と余りです)を暗記

    第6回―九九は九九でも割り算九九!? | モノが語る明治教育維新(唐澤 るり子) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2017/01/10
    “九九は九九でも割り算九九。江戸からの贈物。”
  • 投稿募集中! 三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」

    辞書の三省堂が選ぶ「今年の新語 2016」。 今回の応募総数はのべ2,834語(異なり1,182語)となりました。 たくさんのご応募をくださり、誠にありがとうございました。 これらの投稿を対象に、一語一語、辞書編纂のプロである選考委員が厳正に審査し、「今年の新語 2016」ベスト10を選定しました。 以下に「今年の新語 2016」ベスト10を発表いたします。 ベスト10に選ばれた新語には、三省堂の辞書を編む人が「国語辞典風味」の語釈(語の解釈・説明)をつけました。 辞書に載るかもしれない「今年の新語 2016」の切り口と面白さをお楽しみください。 2位 エモい 『新明解国語辞典』風 エモ・い 2 (形)〔emotionを形容詞化したものか〕 〔音楽などで〕接する人の心に、強く訴えかける働きを備えている様子だ。「彼女の新曲は何度聴いても━ね」 3位 ゲスい 『三省堂国語辞典』風 げす・い[ゲ

    投稿募集中! 三省堂 辞書を編む人が選ぶ「今年の新語2016」
  • 第113回 「体」と「體」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「体」は常用漢字なので、子供の名づけに使えます。旧字の「體」は、常用漢字でも人名用漢字でもないので、子供の名づけに使えません。「体」と「體」は、元々は意味の異なる別字なのですが、ここでは「体」を新字、「體」を旧字ということにしておきましょう。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を、文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、部首画数順に2528字が収録されていました。標準漢字表の骨部には「体」が含まれていて、その直後に、カッコ書きで「體」が添えられていました。「体(體)」となっていたわけです。簡易字体の「体」は、「體」に代えて一般に使用すべき漢字、ということになっていました。 昭和21年4月27日、国語審議会に提出された常用漢字表1295字には、骨部に「体」が含まれていて、その直後にカッコ書きで「體」が添えられていました。「

    第113回 「体」と「體」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第25回 「さつきまつ…」 | 古語辞典でみる和歌(古語辞典編集部) | 三省堂 ことばのコラム

    五月まつ花橘(はなたちばな)の香(か)をかげば昔の人の袖(そで)の香ぞする 出典 古今・夏・一三九・よみ人しらず / 伊勢・六〇 訳 五月を待って花開く橘の花の香りをかぐと、昔親しんだ人のなつかしい袖の香りがするよ。 注 「香をかげば」の「ば」は、順接確定条件、ここは偶然的条件を表す。 参考 平安時代の貴族は、男も女も衣服に香(こう)をたきしめていた。「昔の人」は、橘の花の香りに似た香をたきしめていたのだろう。この歌以来、橘の花の香りは昔を思い出させるものとされた。 (『三省堂 全訳読解古語辞典〔第四版〕』「さつきまつ…」) (たちばな 2016年5月 編集部撮影) 今回は、袖を詠んだ歌のうち、五月(今の6月頃)の橘の香りに関わる歌を取り上げました。『三省堂 全訳読解古語辞典』で「袖」を引くと、「橘の花の香りから昔の恋人の袖の香を思いおこすという叙情性豊かな歌であるが、「恋の部」ではなく、

    第25回 「さつきまつ…」 | 古語辞典でみる和歌(古語辞典編集部) | 三省堂 ことばのコラム
    gogatsu26
    gogatsu26 2016/06/07
    “五月まつ花橘(はなたちばな)の香(か)をかげば昔の人の袖(そで)の香ぞする”
  • 第48回 『年中行事絵巻』巻五「内宴の妓女の舞 | 絵巻で見る 平安時代の暮らし(倉田 実) | 三省堂 ことばのコラム

    場面:内宴(ないえん)で妓女が舞うところ 場所:平安京内裏の仁寿殿(じじゅうでん)から綾綺殿(りょうきでん)にかけて 時節:1月21日ごろの夜 建物:Ⓐ・Ⓘ・Ⓚ階 Ⓑ仁寿殿 Ⓒ片階 Ⓓ紫宸殿北面 Ⓔ仁寿殿東庭 Ⓕ舞台 Ⓖ東北軒廊(こんろう) Ⓗ綾綺殿 Ⓙ仮橋 Ⓛ上長押 Ⓜ綾綺殿の額 Ⓝ西廂 Ⓞ・Ⓟ壁 Ⓠ北廂 Ⓡ東廂 Ⓢ母屋 Ⓣ・Ⓤ戸 Ⓥ東簀子 Ⓦ遣戸 Ⓧ左青璅門(ひだりせいさもん)の額 Ⓨ陣座(じんのざ)の北戸 Ⓩ恭礼門(きょうれいもん)の額 室礼・装束:①・・・下ろされた御簾 ②松明 ③柳の小枝 ④挿頭(かざし)の花を付けた天冠 ⑤幔(まん) ⑥平胡簶(ひらやなぐい) ⑦弓 ⑧下襲の裾(したがさねのきょ) ⑨緌(おいかけ)の冠 ⑩笏 ⑪・琵琶 ⑫・箏の琴 ⑬笙(しょう) ⑭篳篥(ひちりき) ⑮横笛 ⑯三ノ鼓(さんのこ) ⑰鞨鼓(かっこ) ⑱・方磬(ほうけい) ⑲鉦鼓(しょうこ) ⑳楽太

    第48回 『年中行事絵巻』巻五「内宴の妓女の舞 | 絵巻で見る 平安時代の暮らし(倉田 実) | 三省堂 ことばのコラム
  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 漢字雑感 第8回 漢字の伝来と漢字の音・訓

  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 人名用漢字の新字旧字:「春」と「旾」と「萅」

    2015年 11月 12日 木曜日 筆者: 安岡 孝一 第99回 「春」と「旾」と「萅」 旧字の「萅」は、「艸かんむりに日」で四季の「はる」を表した文字です。真ん中の「屯」は、草が伸び出ようとする様子を表すという説と、音の「シュン」を表すという説があって、前者の立場ならば会意文字、後者の立場なら形声文字ということになります。新字の「春」は、「萅」の「芚」を「𡗗」に略した文字で、結果的に「三人の日と書きます」が、「三」や「人」に意味があるわけではありません。一方、俗字の「旾」は、「萅」の艸かんむりを省略した文字だと考えられます。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、新字の「春」を含む2528字が収録されていました。しかし、旧字の「萅」はカッコ書きにすらなっておらず、標準漢字表のどこにも収

  • 第95回 「釈」と「釋」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム

    新字の「釈」は常用漢字なので子供の名づけに使えるのですが、旧字の「釋」は子供の名づけに使えません。「釈」は出生届に書いてOKだけど、「釋」はダメ。どうしてこんなことになっているのでしょう。 旧字の「釋」は、頻用されるわりに画数の多い漢字で、江戸時代には、すでに簡略化された字体が流通していました。新字の「釈」は、音の「シャク」を同音の別字「尺」で表し、それに「釋」の左半分(釆)をくっつけた、いわゆる形声文字で、新井白石の『同文通考』にも収録されています。その意味で「釈」は、遅くとも宝暦年間には、ごく普通に使われていたと考えられます。 昭和17年6月17日、国語審議会は標準漢字表を文部大臣に答申しました。標準漢字表は、各官庁および一般社会で使用する漢字の標準を示したもので、「釈」を含む2528字が収録されていました。標準漢字表の「釈」の直後には、カッコ書きで「釋」が添えられていました。「釈(釋

    第95回 「釈」と「釋」 | 人名用漢字の新字旧字(安岡 孝一) | 三省堂 ことばのコラム
  • 補遺第94回 ゆるキャラについて | 日本語社会 のぞきキャラくり(定延 利之) | 三省堂 ことばのコラム

    さまざまな論者の「キャラ(クタ)」をめぐる話が続いているが(補遺第78回~),大事なものを忘れていた。「ゆるキャラ」である。 「ゆるキャラ」という語はみうらじゅん氏が作られて世に広まったという。みうら氏による「ゆるキャラ」の定義を(1)に挙げる。 ゆるゆるのキャラクターを「ゆるキャラ」と呼ぶことにした。ちょっと待って,ゆるキャラの皆さん,怒らないでよく聞いて。 ゆるキャラとは全国各地で開催される地方自治体主催のイベントや,村おこし,名産品などのPRのために作られたキャラクターのこと。特に着ぐるみとなったキャラクターを指す。日的なファンシーさと一目見てその地方の特産品や特徴がわかる強いメッセージ性。まれには,郷土愛(ラブ)に溢れるが故に,いろんなものを盛り込みすぎて,説明されないと何がなんだか分からなくなってしまったキャラクターもいる。キャラクターのオリジナリティもさることながら,着ぐるみ

    補遺第94回 ゆるキャラについて | 日本語社会 のぞきキャラくり(定延 利之) | 三省堂 ことばのコラム
  • Sanseido Word-Wise Web [三省堂辞書サイト] » 人名用漢字の新字旧字:「彗」と「彗」

    2015年 9月 3日 木曜日 筆者: 安岡 孝一 第94回 「彗」と「彗」 旧字の「彗」は人名用漢字なので子供の名づけに使えるのですが、新字の「彗」(右図参照)は子供の名づけに使えません。「彗」は出生届に書いてOKだけど、「彗」はダメ。「慧」と「慧」とは逆ですね。どうして、こんな変なことになっているのでしょう。 平成元年2月13日に発足した民事行政審議会の主要な議題は、戸籍に書かれている漢字の扱いに関してでした。子供の名づけに使う漢字だけでなく、姓に使われている漢字も、審議の対象だったのです。民事行政審議会の意見は、公簿である戸籍には正字を用いるべきであり、誤字や俗字が書かれている場合はこれをできる限り解消すべきだ、というものでした。名だけでなく姓に関しても、戸籍に書かれた誤字や俗字は原則として正字に改めるべきだ、という意見だったのです。ただし、ここで言う正字は常用漢字や人名用漢字であり

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  • 第305回 大橋敦夫さん:いばらきの「~ぺ」補足(茨城+栃木) | 地域語の経済と社会 ―方言みやげ・グッズとその周辺―(言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics) | 三省堂 ことばのコラム

    とても造語力の高い語なので,今後も用例は増えそうです。 さらに,茨城県の隣,栃木県でも,「~ぺ」の追加例を発見【写真1】。 「ゆずっぺ」……栃木県産のゆずを使った清涼飲料水。「すっきり爽やかだべ」のキャッチコピーも添えられています。 「うまかんべ」……純米酒。 このほか,漫画「北斗の拳」での名ゼリフが以下のように栃木弁になってプリントされている方言Tシャツもあります。 「お前はもう死んでっぺ」 「おれの生涯に一片の悔いねえべよ!!」 「ぺ」もしくは「べ」と発音されるこの語は,関東一円で使われるため俗に「関東べい」と呼ばれます。すでに,上で示したほかに,第220回・第250回(群馬),第263回(埼玉) で紹介したので,神奈川県の例が見つかると面白いですね。地理で「太平洋ベルト地帯」というのを習いますが,「関東「べ(ぺ)ルト」地帯」の用例が完成します。 なお,「ぺ」「べ」の地理的分布について

    第305回 大橋敦夫さん:いばらきの「~ぺ」補足(茨城+栃木) | 地域語の経済と社会 ―方言みやげ・グッズとその周辺―(言語経済学研究会 The Society for Econolinguistics) | 三省堂 ことばのコラム
  • 第78回 死の婉曲表現 | 談話研究室にようこそ(山口 治彦) | 三省堂 ことばのコラム

    死を移動に見立てる表現はたくさんあります。(104a)の「逝く」も「罷る」も,もともと移動を表します。移動の起点と終点を明示しない表現は,ぼかしの効果も含みます。どのような移動であるかについてはつまびらかにしないからです。 一方,(104b)におけるように移動先をあの世,出立する場所をこの世と明示的にとらえると,「あの世に行く」「他界する」といった表現になります。「往生する」も,現世を去り浄土で生まれ変わることを表します。 (104c)は,死を天体の運行などの自然現象に喩えます。月が雲間に隠れたり,日が水平線に没したりすると,見えなくなります。生きて目の前で活動していたときからの変化を見える状態から見えなくなった状態への以降ととらえる訳です。その点では,移動の見立てと似ています。 そして(104d)は,死を覚めることのない眠りに喩えます。墓碑銘に刻まれる「ここに眠る」という表現は,この眠り

    第78回 死の婉曲表現 | 談話研究室にようこそ(山口 治彦) | 三省堂 ことばのコラム