風が吹いて塵や埃(ほこり)が舞い上がったとき、そこに付着した細菌はどれくらいの距離を移動できるのでしょうか? 浮遊菌が宙に留まることで形成された空中細菌叢は「エアロバイオーム(aerobiome)」と呼ばれます。 エアロバイオームは、風に運ばれた先で再び塵や埃と一緒に落下すると、その土地の化学組成を変化させたり、ヒトや動物の健康に影響を与える可能性があります。 イスラエル・ワイツマン科学研究所(WIS)のチームは今回、イスラエル中部で採集したエアロバイオームがどこから飛んで来たかを特定する調査を実施。 その結果、数百〜数千キロメートルも離れた北アフリカやサウジアラビア、シリアなどから運ばれていることが明らかになりました。 手足も羽もない細菌は、風に乗ることで大胆な移動能力を手に入れていたようです。 研究の詳細は、2022年10月10日付で科学雑誌『Journal of Geophysica