日弁連は、管理職や専門職の人を労働時間規制から外し残業代をゼロにする「ホワイトカラー・エグゼンプション(WE)」を導入している米国の現地調査報告をまとめた。収入要件の額が低すぎ、残業代が支払われない労働者が増えているとして、オバマ大統領が制度見直しを指示しているとの内容。 報告によると、米国は1938年にWEを導入。対象は「管理的か運営的、もしくは専門的な職務」を担当し、時給ではない給与が週455ドル以上の労働者で、残業代が支払われなくなる。週455ドルは米国内の大半の労働者が含まれ、年収に換算すると280万円程度になる。さらに職種の要件も、仕事の内容が具体的に明示されていない。 このため、本来は対象外なのに“名ばかり”の対象者になっているとして、残業代支払いを求める訴訟が相次いでいる。昨年3月、オバマ大統領は「何百万人もが時間外労働賃金の保護を受けられていない」と制度の見直しを指示した。