埼玉県立川越工業高校(川越市)の3年生が製作し、本物の線路も走れる3両編成の電車「川工電鉄」が22日、鉄道ファンの聖地、鉄道博物館(さいたま市)に登場した。博物館が同日開催した「工業高校生がつくる鉄道展」で、訪れた親子連れなどを乗せて快走した。 歴代の電気科3年生が5年がかりで「たすき」をつなぎ、改良を重ねた。台車も車体もほとんど手作りで時速は7キロほど。架線からパンタグラフで電気を取る今の車両は10月に完成した。サスペンションにはバイク用のタイヤを加工して使うなど工夫も光る。 製作班のリーダーで3年生の森下潤一さん(17)は「作業は夜遅くまでかかり、肉体的にも精神的にも大変だった。今日は笑顔でお客さんを迎えることができた」と笑った。家族と乗ったさいたま市の佐藤琉汰(りゅうた)君(7)は「面白かった。思ったより揺れなかった」と興奮した様子で話した。(鈴木智之)