新国立競技場の総工費が2520億円に膨らんだ問題について、安倍晋三首相は10日の国会答弁で「新しいデザインを決め、基本設計を作っていくと時間が間に合わない」と述べ、デザイン変更は困難だとの認識を示した。だが、野党だけでなく与党からも不満や批判の声が相次いでいる。 安保関連法案を審議する10日の衆院特別委員会で、民主党の辻元清美衆院議員が「オリンピックの競技場は見直しをされた方が良い」と迫った。首相は「国際コンペをやって決定したのは我々が政権に就く前の(民主党政権時代の)話だった」と弁明。その上で、「確かに費用がかさむ。これは多くの国民がそう思っておられるのではないか」などと語った。 菅義偉官房長官も10日の記者会見で、「五輪開催をオールジャパンで勝ち取るときの原動力の大きな一つになった」と強調。デザインの見直しについて問われると、「工期の問題もある。そんな無責任なことはできない」と気色ばん