津波被害にあった陸前高田市立博物館の植物標本を水洗いするスタッフ =大阪市東住吉区の大阪市立自然史博物館(河居貴司撮影)(写真:産経新聞) 東日本大震災で被災して壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市の市立博物館の収蔵品を復元する作業が、全国各地の博物館で進んでいる。職員全員が犠牲になり、がれきまみれとなった博物館などから運び出された標本などの収蔵品を、全国の博物館の学芸員らが手分けして修復。「文化面でも、震災からの『復旧』を」と、ていねいな作業を続けている。 ◆カビや細菌繁殖 修復作業に加わっているのは国立科学博物館や千葉県立中央博物館、兵庫県立人と自然の博物館など全国25施設。 大阪市東住吉区の大阪市立自然史博物館には今月11日に植物標本400点と昆虫標本500点が到着し、すでに修復作業が始まっている。 植物標本の場合、まず、台紙から標本を取り外して、塩分を抜くため水洗いをした後