「サクラ」を利用して言葉巧みに出会い系サイトなどへ誘導し、高額な利用料金を請求するサクラサイト商法。芸能人などをかたる「なりすまし型」のほか、資産家を名乗って援助を申し出、「手続き」と称してメールでのやり取りを引き延ばす「資金援助型」など手法は多様化している。約2千万円をだまし取られた福岡県の男性(54)は「だまされるのがバカだと思うが、当時はそれだけ追い詰められていたのかもしれない」と振り返った。 男性が出会い系サイトに登録したのは平成21年3月。当時の勤務先から関西への異動を命じられ、単身赴任生活を送っていた。長男が大学進学を控えて家計が苦しい中「資金援助させてほしい」というメールに目が留まった。仕事環境から精神的に余裕のない毎日を送っていたせいもあり、軽い気持ちで返信した。 誘導されたサイトでやり取りをはじめ、手渡しで現金を受け取る約束を取り付けた。一往復600円のメールを何度も