なんで慌てちゃったの 「『期間限定』という言葉に焦り、6年前に孫の教育資金として1500万円を贈与しました。払った贈与税はゼロです。あの頃は、お得に贈与ができて大成功だと思っていたのですが……」 こう言葉を濁すのは、都内に住む堀江啓二さん(77歳・仮名)だ。最大1500万円まで教育資金贈与が非課税になる特例がスタートしたのは、'15年のことだった。この年には8万5587人が制度を利用し、5196億円が贈与された。 「当時、高校3年生だった孫は医者になりたいと言っていました。私立に入れば6年間で2000万円はかかるそうで、贈与を決断したのです。 ところが、心変わりした孫は国立大学の文系に進学してしまいました。4年間通ってそのまま就職したので、贈与した資金は1000万円以上余っています」(堀江さん) 500万円までは習い事にも使えるが、新入社員の孫にはそんな余裕はない。堀江さんは嘆く。 「贈与