HGSTの木下尚行氏は、ヘリウムガス充填HDDについて開発経緯と仕様的な優位点を紹介した。2007年に将来予想されるストレージ需要の成長率とそれまでのHDDにおける容量増加率を比べて、求められる容量に対してHDDの容量増加ははるかに少ない状況から、記憶密度とは別の方法によるブレイクスルーの道を探り、HGSTの別部署がヘリウムガスを利用していることからヒントを得て開発に取り組んだという、きっかけを紹介した。 分子のサイズが小さくて軽いヘリウムガスを使うことで、空気を充填する場合と比べて回転するブラッタの振動を抑えることができ、そのおかげで、プラッタの厚さを薄くすることが可能になるという。従来の3.5型HDDでは、最大でも5枚のプラッタを収容するのが限界だったが、ヘリウムガスを充填することで7枚のプラッタが収容できるようになり、その結果、容量も飛躍的に増やすことができた。 なお、プラッタが従来