--少年時代について教えてください 磯田 変わった子でしたね。小学校高学年のときに祖母から家の古文書を見せられ、「解読できるまでは学校の勉強はしない」と。とんでもない子供でした。学校の勉強を発展させて自主学習を毎日していた感じです。 --例えばどんな? 磯田 相似形を習うと測量に応用できないかと考えて、電柱に登らずして高さを測るとか。授業よりそこから先の応用の方が面白くて、家に竪穴式住居を作ったり、天体望遠鏡や出雲大社の模型を作ったり、そんなことばかりしていました。 --一人でですか? 磯田 友達や妹が時々一緒でしたが、基本は一人です。一番凝ったのは土器を焼くこと。学校の図書館で本を読んで試行錯誤しながら、鉄の粉に泥を交ぜて表面に塗りつけて焼くと、燃えるような真っ赤なものができてうれしかった。釉薬(ゆうやく)の現象ですね。人間は長い年月をかけてこの方法を編み出したのだろうけど、文字は偉大だ
「古文書は昔の人たちの録音盤のようなもの。肉声が聞こえてきます」と語る磯田道史さん=京都市の国際日本文化研究センター 映画化されたベストセラー「武士の家計簿」や「無私の日本人」で知られる歴史学者の磯田道史さん(46)。東日本大震災後は地震や津波の古文書を調査して現代の防災に生きる提言を行い、軽妙な語り口でテレビにも出演するなど多方面で活躍する。過去の出来事に学び、今に役立てる実学としての歴史学に情熱を傾ける。その源はどこにあるか、磯田さんの古文書を紐解くと-。 --膨大な古文書の中からキラリと光るお宝を発掘し、著書として私たちに届けてくれています 磯田 古文書は昔の人たちの録音盤に近いもので、肉声が聞こえてくるんです。生活感もあります。「武士の家計簿」の場合、ミカン1個などと精密に記述されています。匂い立つような緻密な情報が入っている古文書は魅力がありますね。紙と紙がひっついていて、それを
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