「デフレ=不況」が常識になってしまった理由 2008年のリーマン・ショック後、FRB(アメリカの中央銀行)のバーナンキ議長(当時)に課された使命は、アメリカ経済がデフレを回避することでした。それは、彼の研究成果を着実に実行することでもありました。 バーナンキ氏は大恐慌の研究ではもっとも著名な学者の1人ですが、アメリカの大恐慌の時期だけをみて、「デフレ=不況」という誤った結論を導きました。さらに困ったことに、権威あるバーナンキ氏の研究を検証しようとした経済学者はごく少数で、むしろバーナンキ氏に倣って間違った研究をさらに推し進めようとする学者が数多く出てきてしまったのです。 じつはアメリカの大恐慌だけでなく、他の国々の不況とデフレの関連性を調べてみると、多くの経済学者の思い込みを打ち砕く驚くべき事実を知ることができます。デフレと不況とはまったく関係がないことを、ミネアポリス連邦準備銀行の2人の