第26回 「ミサイル発射には合理的な戦略意図がある」 ~ 米・北朝鮮ウォッチャーが喝破 ~ 国際問題評論家 古森 義久氏 2006年7月7日 北朝鮮の一連のミサイル発射の真の狙いとは一体何なのか。米国や日本だけでなく、国際社会全体をあえて敵に回してしまったような危険な軍事行動は何を意図してのことなのか――。 7月5日未明の北朝鮮の一連のミサイル発射は米国の首都ワシントンをも揺さぶった。米国の時間では7月4日の独立記念日、祝いの空気に満ちた休日の午後、北朝鮮のミサイル発射の報が流れた。ワシントンからみれば地球のほぼ裏側に近い遠方での出来事であり、しかもその発射が予測されていたにもかかわらず、ブッシュ政権は敏速に対応した。テレビや新聞などの米国マスコミも大々的に報じた。 ホワイトハウスではトニー・スノー大統領報道官が午後6時すぎ、緊急の記者会見を開き、米当局がつかんだ情報のほぼすべて