福島第一原発事故により、いまだ村民6000人以上が避難生活を強いられている福島県飯館村。菅野典雄(かんの・のりお)村長は「除染から2年後には帰村実現」(インタビュー「全面避難を訴える人に問い質したい。そんな簡単に、ふるさとを諦めていいのですか」)という方針を掲げているが、その進め方に避難住民から反発の声が上がっている。 「家や畑を除染したところで、風が吹いたら山林の放射性物質が飛んできて線量が上がる。こんな状態で帰村なんて不可能。それでも村は予算総額約3200億円で除染する計画を進めています。ならば、村の総世帯数は約1700世帯だから1世帯1億円を渡し“新天地”で暮らすほうが断然いい」(長泥地区の住民C氏) 別の長泥地区住民もこう話す。 「われわれ村民が今、村長に求めていることはなんだと思いますか? 『除染後、村に帰りたいと思うか?』を確認する全村民対象の意識調査をやることです。何度も要望