タグ

文学に関するirbsのブックマーク (3)

  • こゆるぎ岬

    いちどだけ自殺しようと思ったことがある。中2の時。俺はクラスでかなりハードなイジメに遇ってた。家に帰れば両親は離婚寸前でもめてるし、とにかく最悪だった。 当時、神奈川県の中学では2年次にAテストというのがあって、高校入試にめちゃめちゃ影響する重要なテストと言われてた。俺はその結果も散々だった。勉強なんかできる精神状態じゃなかったのだ。3才から一緒に暮らしてた犬も死んじゃうし、かわいいなと思ってた女子から「バイ菌」と呼ばれるし、もう死ぬしかねえと思った。 文学にかぶれていた俺は、太宰治にあやかって鎌倉のこゆるぎ岬で死のうと思った。太宰が心中に失敗した場所だ。 俺は太宰みたいに睡眠薬を持ってなかったので、家中の薬をかき集めて持って行った。でたらめに飲んでやるつもりだった。 こゆるぎ岬に着いて岩畳の上でぼんやり突っ立ってたら「おい」と呼ぶ声がした。 振り返ると、ネプチューン名倉みたいな妙に濃い顔

    こゆるぎ岬
  • 大統領のすべての外交演説を書く男、ベン・ローズ──文学青年はいかにしてオバマ側近のトップにのぼりつめたのか

    イランとの核合意、キューバとの国交回復、シリア介入の撤回など、オバマ外交を代表する重要な決断において、大統領の発言をすべて「執筆」した男がいる。38歳の大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)にしてスピーチライター、ベン・ローズだ。 若くしてオバマの側近中の側近となった彼の人生を追い、彼が残した「小説」を引きながら、世界を変える外交政策を紡いでいくその思考の軌跡も再現する、大型ポートレート記事の全訳をお届けする。 地下鉄のなかで泣いている男 2001年9月11日、ある若い男がノース・ウィリアムズバーグの海辺に立っていた。 その日は、ニューヨーク市の選挙の日でもあった。 彼は、旅客機が超高層ビルに体当たりするのを見た。ありえない、それでいて忘れることのできない瞬間だった。 そしてパニック、ショック、そして終わることのない恐怖がやってきた。 彼はドン・デリーロの小説『アンダーワールド』の表紙を思

    大統領のすべての外交演説を書く男、ベン・ローズ──文学青年はいかにしてオバマ側近のトップにのぼりつめたのか
  • 第九回 高野文子 陰翳礼讃|マンガアンソロジー 谷崎万華鏡|特設ページ|中央公論新社

    『陰翳礼讃』は、乾 正雄さんという人の書いたのなかで、最初に知りました。 『夜は暗くていけないか』というタイトルのでした。 日建築の入光のことが書いてある箇所でした。 わたしが、畳の部屋を漫画のなかに描くときに、思い出すです。 今回、谷崎の『陰翳礼讃』を読み直し、一部分だけを抜き出してコマにしました。 谷崎の文章では、『文章読』が好きです。 これを漫画にしたいと思うくらい好きなのですが、バカと言われそうなのでやめました。 小説はお許しください。 今までいろんな方から、お読みなさいって勧められたのですが、体に合いません。 たかのふみこ 1957年新潟県生まれ。看護士として勤める傍ら、79年に商業誌デビュー。82年に日漫画家協会優秀賞、2003年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。作品集に『絶対安全剃刀』『おともだち』『るきさん』『ドミトリーともきんす』などがある。漫画作品の他に絵

  • 1