日本人はマスクをつけることに、大きな違和感を抱くことはない。風邪を引けばマスクをし、インフルエンザや花粉症の予防で欠かせない人も多いはずだ。コロナ禍が続く昨今では、もはやマスクは顔の一部になりつつある。 だが、欧米では日本ほどマスクを着用する習慣はなく、特にコロナが猛威を振るう以前は、マスクをして出歩く日本人に対して違和感を抱く人も多かった。では、なぜ私たちはこれほどまでにマスクに馴染みがあるのだろうか。
はじめに UTokyo Repositoryにて修士論文を公開しました。 リンクは以下です。 http://hdl.handle.net/2261/00079131 「写真を見ること、写真を通して見ること――ケンダル・ウォルトンによる「透明性テーゼ」の理論的射程をめぐって」と題し、写真論を扱っています。 タイトル通り、ケンダル・ウォルトン(Kendall Walton)というアメリカの美学者による写真論を中心としています。 論文の位置づけとしては分析美学内の写真論ということで、「写真とはなにか」という問いから、概念の分析、条件の確認、反論の整理、ポイントごとの擁護&反論と、一歩ずつ前進するようなanalytic styleをとっています。 内容としても、仮想敵となるのは「写真は死んだんじゃ〜」と言ってちゃぶ台をひっくり返すタイプの言説です。語尾が「ポモ〜!」な人たちによって、「写真と
大正から昭和初期に起こった大観光ブーム。そのブームの中、日本内外の旅行パンフレットに鳥瞰図を取り入れたのが「大正の広重」と呼ばれた吉田初三郎です。「吉田初三郎式」として人気を集めた彼の鳥瞰図の最大の特徴は極端なデフォルメで、大胆な構図と鮮やかな配色による豊かな表現に彩られ、今日と比べても遜色ないほどの詳細な情報が盛り込まれた旅行案内が多数出版されました。 吉田初三郎は京都生まれの鳥瞰図絵師で、最初の『京阪電車御案内』(大正2年)が、皇太子時代の昭和天皇から「これは奇麗で解り易い」と賞賛されたことに喜び、生涯に1600点以上もの作品を描いたと言われています。 国際日本文化研究センターでは吉田初三郎、および彼の影響のもと同時代の絵師が描いた鳥瞰図の網羅的な収集を行ってきました。本データベースではその全体像を把握できるようにするとともに、画像を共有するための国際的な枠組、IIIF (Intern
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