町田康の『告白』を読んだ。この人の本を読むのは初めてである。 告白 (中公文庫) 作者: 町田康出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/02/01メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 184回この商品を含むブログ (138件) を見る異常なほど長いワンセンテンス。ところが、それが浪曲や落語、啖呵売のような語り口で語られ、そこに突拍子もない効果音や和製英語が飛び交うという奇怪な文体―――― 上方落語や河内音頭の造詣が深く、さらに自身がパンクバンドをやっていたという経歴を知ってすごく合点がいった。そういう経験や知識がそのまま文体として表れることに、ことばや表現のおもしろさを知るわけだが、単に奇を衒ったものではなく、そこに自然と行き着いたというような感じがある。 そもそも奇を衒うというのは奇を衒ってるなと思われた時点で負けだ。それはエピゴーネンに多く、その奥にある本質や源流が見