風潮の変化はまた、スイスと欧州連合(EU)の難しい二者間関係にも映し出されている。「欧州単一市場の規制をよそ目に、スイスは二者間協定を通じて長い間、広範な利益を得てきた」とシュナイダー・シュナイター氏は顧みる。EU内では「いいとこ取りだ」という声が高まっており、「もうこれまで通りにはいかない」。スイスの特徴である低税率も同様だ。最近の例として、経済協力開発機構(OECD)が大企業向けの最低法人税を15%まで引き下げたことを挙げた。緑の党所属の外交政治家クリスティーン・バーダーチャー氏も国際環境の変化を認め、「EUはもはやスイスの特例を認めなくなるだろう」と予測する。「対EU関係の危機は、スイスの繁栄にとって目下最大の脅威だ」 スイス経済に影響を及ぼすのは、このやっかいな対EU関係だけではない。EU圏が今後どのように発展していくかも重要な要素となる。そのためスイスはロビー活動などを通じ、EU