タグ

ブックマーク / www.tachibana-akira.com (39)

  • 私たちは、いつ刑務所に放り込まれるかわからない国に生きている 週刊プレイボーイ連載(427) – 橘玲 公式BLOG

    2003年5月、滋賀県の病院で男性患者(当時72)が死亡します。その2カ月後、看護助手をしていた20代の女性のもとに、滋賀県警の若い男性刑事から電話がかかってきました。刑事は「亡くなった患者に責任を感じないのか」と強い口調で出頭を求め、看護助手は取調室で患者の遺影を見せられ、「人工呼吸器が外れてアラーム音が鳴ったのに適切な処置を怠った」とはげしく叱責されました。 怖くなった看護助手が「鳴った」と認めると、話はさらに奇怪な方向に転じていきます。当初は業務上過失致死だったのに、人工呼吸器のチューブを引き抜き、酸素の供給を遮断して殺害したことにされたのです。 裁判で元看護助手は無罪を訴えますが最高裁で実刑が確定、刑務所に12年間収監されました。2017年に満期出所すると、家族や支援者に押されて再審請求を起こし、その過程で、警察が「患者は呼吸器のチューブ内でたんが詰まり、酸素供給低下状態で死亡した

  • 日本的雇用からブラック企業が生まれた 週刊プレイボーイ連載(85) – 橘玲 公式BLOG

    2008年12月末、東京・日比谷公園の一角に突如、巨大なテント村が姿を現わしました。 世界金融危機に端を発した景気後退で製造業を中心に多くの派遣社員が職を失い、社員寮からも追い出されてしまいました。彼らが路上で年を越すのは政府の責任だとして、NPO法人が厚生労働省の目の前に「年越し派遣村」を開設したのです。 これをきっかけに、マスメディアは派遣社員の過酷な労働環境を連日のように報道し、経済格差が大きな社会問題になっていきます。そこでの論調は、「派遣社員はかわいそうだから正社員にするべきだ」というものばかりでした。こうして、年功序列、終身雇用を理想とする“正社員神話”が蔓延していきます。 解雇がきびしく制限されている日では、新卒で正社員として就職すれば定年までの約40年間「終身雇用」が保証されると考えられています。これは一見すると、労働者にとって法外に有利な契約です。だからこそ企業は派遣な

    日本的雇用からブラック企業が生まれた 週刊プレイボーイ連載(85) – 橘玲 公式BLOG
  • 日本人は「監視社会」を望んでいる? 週刊プレイボーイ連載(290)  – 橘玲 公式BLOG

    テロや組織犯罪への対処措置を定めた「国際組織犯罪防止条約(TOC条約)」締結のためとして政府が国会に提出した「テロ等準備罪」の通称は「共謀罪」です。報道各社の世論調査ではおおむね賛成の方が多いようですが、どちらの名称を強調するかによって結果がかなり変わります。「テロ等準備罪」だと「テロ対策に必要ならいいんじゃないの」と思い、「共謀罪」だと「なにもやってないのに“共謀”しただけで犯罪になるのか」と不安になる、というわけです。 「共謀罪」を批判するひとたちは、国家が市民の思想信条を取り締まる「監視社会」になることを危惧します。近代国家はすべての“暴力”を独占する巨大な権力で、その行使を民主的に統制することはきわめて重要ですから、この主張には一理あります。しかしその一方で、「権力は悪だ」と言い募るだけでは、「警察も司法制度も廃止してしまえ」ということになりかねません。 話がややこしくなるのは、「

    日本人は「監視社会」を望んでいる? 週刊プレイボーイ連載(290)  – 橘玲 公式BLOG
  • 大麻バッシングは日本の「精神の貧困」の象徴 週刊プレイボーイ連載(266) – 橘玲 公式BLOG

    参議院選挙にも出馬した元女優が大麻取締法違反で逮捕されたことが、ワイドショーなどで連日大きく報じられました。大麻合法化を公約に掲げて選挙に立候補した以上、確信犯なのでしょうが、残念なのは、離島での暮らしや奇矯な言動が大麻(マリファナ)についての主張といっしょくたにされてしまったことです。 元女優が男性4人と暮らすのは自由ですが、「ふつう」ではないかもしれません。しかし大麻の所持や使用は、いまや先進国では違法とするほうが少数派になっています。 オランダでは早くも1970年代に大麻が解禁されましたが、イギリス、ドイツ、フランスなどヨーロッパの主要国でも、法律上は違法とされていても個人による栽培・使用は放任されているのが実情です。アメリカでは州ごとに規制が異なりますが、医療用大麻は多くの州で合法化され、コロラド、ワシントン、オレゴン州では個人使用の嗜好用マリファナも合法化されています。またカナダ

    大麻バッシングは日本の「精神の貧困」の象徴 週刊プレイボーイ連載(266) – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2016/11/21
  • 東芝不正会計事件という見事なブラックジョーク 週刊プレイボーイ連載(207) – 橘玲 公式BLOG

    1500億円を上回るとされる東芝の不正会計事件は、日の名門企業でどのような「経営」が行なわれていたのかを白日の下にさらしました。 第三者委員会の報告書によれば、中間決算直前の社内会議で、「残り3日で120億円の利益を出せ」と社長がパソコン事業部に迫ったといいます。テレビなど映像事業部に対しては、「チャレンジ」と称する収益改善目標の必達を要求し、社長月例会議で「できないなら辞めてしまえ」と部門長を罵倒しています。さらに米子会社ウエスチングハウスが手がけた発電所建設では、追加コストの発生を約500億円から85億円に理由もなく減額するよう社長自ら指示していました。 報告書では東芝の上場を維持するために「不適切会計」とされていますが、これは粉飾以外のなにものでもありません。なぜこんなぶざまなことになってしまったのでしょう。 80年代末のバブル最盛期には、「日はもう坂の上に雲はなくなった」といわ

    東芝不正会計事件という見事なブラックジョーク 週刊プレイボーイ連載(207) – 橘玲 公式BLOG
  • 「英雄」たちの時代が終わって、歴史はどんどんつまらくなった 週刊プレイボーイ連載(190) – 橘玲 公式BLOG

    リー・クアンユー元シンガポール首相が91歳で生涯を終えました。これで、アジアの「英雄の時代」が完全に幕を下ろしました。 明治維新によって近代国家への道を踏み出した日に対して、アジアの国々は(タイを除けば)ずっと植民地か半植民地でした。第二次世界大戦が終わってようやく民族自決の権利が認められ、独立が可能になったのです。 毛沢東、蒋介石、ガンジー、スカルノ、金日成、ホー・チ・ミンなど、毀誉褒貶はあるでしょうが、この時期に「建国の英雄」たちが続々と現われました。中国韓国・朝鮮は日より長い歴史を持っていますが、近代国家になってからは70年しか経っていない“若い”国なのです――これが、日と近隣諸国との「ナショナリズム」がいちがう理由のひとつでしょう。 そのなかでも東南アジアは、政治的な理由から建国が遅れました。インドネシアがオランダから独立を果たしたのが1949年、シンガポールがマレーシア

    「英雄」たちの時代が終わって、歴史はどんどんつまらくなった 週刊プレイボーイ連載(190) – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2015/04/13
    “毛沢東、蒋介石、ガンジー、スカルノ、金日成、ホー・チ・ミンなど、毀誉褒貶はあるでしょうが、この時期に「建国の英雄」”
  • 「信仰」だけがなぜ特別扱いされるのか? 週刊プレイボーイ連載(181) – 橘玲 公式BLOG

    イスラームの創始者ムハンマドの風刺画をめぐって論争がつづいています。日のメディアのあいだでも、「私はシャルリー」のカードを掲げて涙を流すムハンマドを描いた雑誌の表紙を掲載するかどうかで判断が分かれました。 掲載を控えたメディアは、「表現の自由は重要だが、紙面に載ればイスラーム信者が深く傷つく」などと説明しています。「他人の嫌がることはやらない方がいい」というのは一見わかりやすい理屈ですが、はたしてそれでいいのでしょうか。 日には従軍慰安婦や南京大虐殺、靖国問題の報道で深く傷つき、激昂するひとがたくさんいます。それなら同じように、彼らの意に反する表現もすべて控えるべきだ――こんなことをいえば間違いなく袋叩きにあうでしょう。ジャーナリズムとは、権力や大衆の神経を逆なでしてもなお真実に迫る営為だとされているからです。 ではなぜ、ムスリムの気持ちには配慮し、愛国的な日人の感情は踏みにじっても

    「信仰」だけがなぜ特別扱いされるのか? 週刊プレイボーイ連載(181) – 橘玲 公式BLOG
  • 12歳の子どもでも安楽死を選べる「自由」な社会 週刊プレイボーイ連載(165) – 橘玲 公式BLOG

    スイスへの「安楽死ツアー」が密かな話題になっています。 ヨーロッパでは2002年4月にオランダがはじめて安楽死を合法化し、ベルギーとルクセンブルクがそれに続きましたが、自国民にしか安楽死を認めませんでした。それに対してスイスでは、外国人でも自殺幇助機関に登録でき、不治の病の末期であれば安楽死を受けられます。費用は7000ドル(約70万円)で、現在は60カ国5500人が登録しているといいます。 ベルギーで「最高齢アスリート」として親しまれてきたエミール・パウェルスさんは今年1月、家族や友人約100人とシャンパンで乾杯したあと安楽死しました。パウェルスさんは高齢者選手権で数々の記録を打ち立てましたが、末期の胃がんで寝たきりの生活を余儀なくされていました。取材に対して、「わたしの人生の中で最高のパーティだ。友人全員に囲まれて、シャンパンと共に逝くのが嫌だなんて人がいるかい?」とこたえています。

    12歳の子どもでも安楽死を選べる「自由」な社会 週刊プレイボーイ連載(165) – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2014/10/06
  • テレビはバカに娯楽を提供するメディア – 橘玲 公式BLOG

    最新刊、『バカが多いのには理由がある』から「はじめに」を掲載します。 *********************************************************************** ずいぶん昔の話ですが、仕事の企画で民放テレビのディレクターに会いにいったことがあります。彼は30代後半で、視聴率の高いワイドショーを担当し、業界ではやり手として知られていました。 「僕の話なんか聞いたって仕方ないですよ」 開口一番、彼はそういいました。 「昼間っからテレビを見ている視聴者って、どういうひとかわかりますか? まともな人間は仕事をしているからテレビの前になんかいません。暇な主婦とか、やることのない老人とか、失業者とか、要するに真っ当じゃないひとたちが僕らのお客さんなんです。彼らをひとことでいうと、バカです。僕らはバカを喜ばせるためにくだらない番組を毎日つくっているんで

    kaos2009
    kaos2009 2014/06/25
  • 「表現の自由」でエイズの似非科学を擁護した代償 週刊プレイボーイ連載(149) – 橘玲 公式BLOG

    「自分に甘く他人に厳しい」というのは人間の性でしょうが、それが目に余るのは似非科学を振りかざすひとたちです。 彼らはまず、相手に対して厳密な証明を求め、すこしのミスも許しません。そして、自分の主張が非科学的だと批判されると「表現の自由」だと言い張ります。 似非科学が流布する背景には、それを支持する知識人(と呼ばれるひとたち)がいます。彼らは、あらゆる意見には発言の場が与えられるべきであり、国家権力がそれを制限するのは不当だといいます。 これは一見、正論のようですが、だとしたら「朝鮮人を殺せ」と叫ぶ集団の表現の自由も命がけで守らなければなりません。しかし彼らは、そんなことをする気はまったくないでしょう。「表現の自由」は、自分の気に入った意見にだけ適用されるのです。 マンガ『美味しんぼ』では、福島第一原発を取材した主人公の鼻血と放射能の関係が問題になりました。マンガを掲載した編集部は「ご批判

    kaos2009
    kaos2009 2014/06/09
    「告白」を思い浮かべたけどアメリカの話だった
  • 若者言葉はなぜ体育会化するのか?  週刊プレイボーイ連載(133) – 橘玲 公式BLOG

    「近頃の若い者は……」と説教するオヤジにはなりたくないのですが、それでも気になるのは「ありがとうございます」の多用です。近頃の若者は職場やバイト先で、上司からなにかいわれるたびに「ありがとうございます」とこたえているようです。 「そこはEXCELの集計機能を使えばいいよ」 「ありがとうございます」 「明日は早いから今日はこれで終わりにしましょう」 「ありがとうございます」 いずれも間違いとはいえませんが、もっとシンプルな返答があります。私たちの世代は(という言い方をしてしまいますが)、最初の例では「わかりました」、2番目の例では「そうですね」とこたえて、「ありがとうございます」とはいわなかったでしょう。 言葉は時代とともに変化しますが、「ありがとうございます」が若者のあいだでインフレ化するのは何を意味しているのでしょうか。 私がこの用法に違和感を持つのは、それが明らかに体育会言葉だからです

    若者言葉はなぜ体育会化するのか?  週刊プレイボーイ連載(133) – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2014/02/10
  • “芸術”という腐った楽園 週刊プレイボーイ連載(126) – 橘玲 公式BLOG

    スクープは大きくふたつに分けられます。ひとつは、これまで一般に知られていなかった秘密を暴くもの。もうひとつは、誰もが当たり前だと思っていたことに対して、「それはルール違反だ」と指摘するものです。公募美術展「日展」の書道部門で、入選数を有力会派に事前分配していたという朝日新聞のスクープは後者の典型でしょう。 日の美術界は芸術院会員を頂点とするピラミッド組織で、弟子は階級が上がるほど上納金が増え、「日展に入選するには審査員に心づけを渡し、作品を購入しなければならない」というのが常識でした。これは茶道などの家元制度を持ち込んだものでしょうが、「公募」をうたっていながら、有力会派に属していなければ入選できないというのでは、不正審査といわれても仕方ありません。報道を受けて日展は、日画や洋画を含む全部門で最高賞の選考を中止することを決めました。 こうした問題が起きるのは、日展だけでなく日の美術界

    kaos2009
    kaos2009 2013/12/09
    “根本的な原因は、「芸術」の社会的な地位が大きく低下したことでしょう――かんたんにいうと、芸術では食べていけなくなった”
  • やっぱりみんな“ネオリベ”になった 週刊プレイボーイ連載(109) – 橘玲 公式BLOG

    事前の予想どおり参院選で自民党が圧勝し、民主党が惨敗して、衆参のねじれが解消されました。投票率は52%とからくも有権者の半分を超えただけで、前回、民主党に投票したひとの多くが今回は棄権したと思われます。 昨年12月の衆院選で自民党が政権を奪還し、経済運営でも結果を出しているだけに、7カ月後の選挙であえて野党に投票する理由がないのは当然です。参議院がなければ最初からこうなっていたわけで、安倍政権はいよいよその真価を問われることになるでしょう。 以下、今回の選挙で気づいたことを列挙してみます。 ①参議院はそもそもいらない 半年以上も不毛な議論を繰り返し、選挙を経ないと正常化できないなら最初からない方がマシ。有権者の判断は昨年の12月にすでに出ている。 ②反原発は票にならない “被災地”の福島ですら「反原発」を掲げた候補者はまったく相手にされず。議席を獲得できたのは共産党候補と東京選挙区の山

    やっぱりみんな“ネオリベ”になった 週刊プレイボーイ連載(109) – 橘玲 公式BLOG
  • “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG

    アメリカの高校生にリーダーシップがあるかどうか質問すると、7割が「自分は平均以上」と答えます。大学教授を対象とした調査では、94%が「自分は同僚より優秀だ」と回答します。平均より優れたひとは半分しかいないはずですから、これは明らかにおかしな現象です。 心理学では、無意識のうちに自分を過大評価することを「平均以上効果」といいます。私たちの住む世界では、ほとんどのひとが平均以上に知能が高く、平均以上に公平で、平均以上に車の運転がうまいのです。 自分に根拠のない自信を持つ傾向は、「ポジティブ・イリュージョン」として知られています。といっても、“幻想(勘違い)”なんだから矯正すべきだ、といいたいわけではありません。 子どもに対して「もっと現実を直視しなさい」と説教する親や教師がいますが、自己評価と他者の評価が一致している、すなわち“勘違いしていない”ひとの典型はうつ病患者です。あらゆる出来事をネガ

    “俺”ではなく“俺たち”を自慢する日本人 週刊プレイボーイ連載(102) – 橘玲 公式BLOG
  • 橋下市長は反論の相手を間違えているのではないだろうか? – 橘玲 公式BLOG

    この問題については、正直、あまり首を突っ込みたくないのだが、どうしても気になるのでひと言だけ。 橋下大阪市長は慰安婦問題について、Twitterや囲み取材で日のメディアを批判しているが、海外メディアでの報じられ方はその比ではない。 Japanese politician calls wartime sex slaves ‘necessary’ CNN Osaka mayor says wartime sex slaves were needed to ‘maintain discipline’ in Japanese military Washington Post(AP) “Sex Slave(性奴隷)”を「必要」だと容認するのではRacistと同じになってしまう。これこそ“誤報”なのだから、橋下市長はCNNにインタビュー取材を申し入れて真意を説明し、Washington Postに反

    橋下市長は反論の相手を間違えているのではないだろうか? – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2013/05/21
    「海外で批判されている」という報道に対して、記者会見で日本人の記者を批判したり、Twitterで日本語で反論してもなんの効果もない。」
  • 素晴らしき強制労働社会 週刊プレイボーイ連載(78) – 橘玲 公式BLOG

    “日の将来を決める”選挙戦が始まりました。といっても、日にはどのような将来の選択肢があるのでしょうか? これまでは、「アメリカ型の新自由主義か、北欧型の福祉社会か」といわれてきました。“弱肉強”のアメリカ型新自由主義(ネオリベ)は世界金融危機で破綻したとされていますから、残された選択肢は消去法で北欧型の福祉社会しかありません。 しかし不思議なことに、「もっと福祉を」の大合唱は聞こえてきません。日国の借金が1000兆円もあるからでしょうが、それだけが理由ではないようです。北ヨーロッパの福祉社会を視察した労働組合幹部などが、帰国後は一斉に口をつぐんでしまったからです。 彼らはそこでいったい何を見たのでしょうか? ワーク・ライフ・バランスや社会参画で一世を風靡したオランダは、男女平等で自由な働き方を実現しながら、きわめて効率が高いことで知られています。オランダの就業者1人あたりの労働時間

    素晴らしき強制労働社会 週刊プレイボーイ連載(78) – 橘玲 公式BLOG
    kaos2009
    kaos2009 2012/12/10
    先進的な福祉国家では、社会に参画(貢献)する意思と能力を持った“市民”だけが手厚い保障を受けられます。
  • 尖閣問題で、海外メディアは日本に対して予想以上に厳しい | 橘玲 公式サイト

    上海で反日デモが猛威をふるった9月半ばから昨日まで、香港やシンガポールなどを回った。忘れないうちに、海外メディアの論調で気づいたことをメモしておく。 1)日国内で尖閣諸島が日固有の領土だとされているのと同じように、中国や香港、台湾では「釣魚島」は中国固有の領土で、日によって不法占拠されているというのが常識で、日の主張は一顧だにされていない。日では「中国共産党の偏った歴史教育」が原因といわれるが、香港や台湾中国教育制度とは切り離されており、表現・報道の自由も保障されているのだから、共産党の一党独裁が終わったとしても、日の主張が受け入れられてこの問題が解決することはない。 2)中立系の香港の英字新聞では、日系企業や日系の店舗への暴力行為はChina Riskとして批判的に報じられているが、反日デモの責任は日政府にあるとされている。 3)中国と距離のあるシンガポールでも、メディ

    尖閣問題で、海外メディアは日本に対して予想以上に厳しい | 橘玲 公式サイト
  • 日本人はアメリカ人より裁判が好き? – 橘玲 公式BLOG

    すこし前のだが、興味深いデータを見つけたので紹介したい。 ハーバード・ロー・スクールを卒業後、日産自動車法規部などを経て、東京大学大学院(法学政治研究科)で教鞭をとるダニエル・フットは、「アメリカ人は訴訟好き」「日人は訴訟嫌い」という“常識”に疑問を持った。 フットは、『裁判と社会―司法の「常識」再考』のなかで、日(2000年)、アメリカ(2001年)、中国(1995年)で行なわれた大規模意識調査を例に挙げる。 質問者はまず、以下のような3つの仮想事例を提示した。 【友人との紛争】ある人が友人に1カ月分の給料にあたる金額を貸しましたが、返済期限がきても友人はその金を返そうとしません。友人と交渉しても、友人はその金を返しません。その場合、その人が次の行動をとることをどう考えますか? 【電器屋との紛争】ある人が電器屋から1カ月分の給料にあたる価格の電気器具を買ったところ、それは不良品でし

    日本人はアメリカ人より裁判が好き? – 橘玲 公式BLOG
  • あなたは“ゴミ”になれますか? 週刊プレイボーイ連載(53) – 橘玲 公式BLOG

    この連載を始めたのはちょうど1年前で、東日大震災と福島原発事故の直後ということもあり、この国の政治についてあれこれ意見を述べたのですが、最近はまったく書くことがなくなってしまいました。消費税や議員定数是正をテーマにしようとしても、これまでの記事のコピー(繰り返し)になってしまうからです。 コピーにはオリジナルがあります。それでは、日政治の深層にあるオリジナルとはいったいなんでしょう。 かつて自民党の長老議員は、「サルは木から落ちてもサルだが、議員は落選すればタダの人だ」と述べました。いまではこの言葉は、「政治家は落選したらタダのゴミ」とヴァージョンアップして、永田町で広く使われています。 ひとは誰でも“ゴミ”にはなりたくありません。学歴もプライドもひといちばい高い政治家ならなおさらでしょう。 2006年の偽メール事件で、「堀江貴文ライブドア社長(当時)が、衆院選出馬に際して自民党幹事

    あなたは“ゴミ”になれますか? 週刊プレイボーイ連載(53) – 橘玲 公式BLOG
  • 原発と野生動物 週刊プレイボーイ連載(52) – 橘玲 公式BLOG

    アフリカのボツァラノ動物保護区域には、かつてはたくさんの豹が棲息していました。しかしいまでは、私たちはその優美な姿を目にすることはできません。 なぜ南アフリカの豹は消えてしまったのでしょうか? それは動物を愛するひとたちが、彼らを「保護」しようとしたからです。 ヘミングウェイが『キリマンジャロの雪』で描いたように、かつてアフリカには、野生動物を目当てに大勢の白人ハンターがやってきました。彼らにとって大型肉獣は最高の勲章で、地元のガイドは、豹を仕留めて有頂天になったハンターから多額のボーナスをもらうことができました。 ハンティングのガイドはふだんは農民で、牛や羊を飼って暮らしていました。家畜は豹の格好の獲物になっていましたが、農民たちはそれを仕方がないことだと考えていました。白人のハンターは、斑点のついた毛皮や剥製にした豹の頭を持ち帰るためなら金に糸目をつけず、牛や羊が何頭も買えるお金

    原発と野生動物 週刊プレイボーイ連載(52) – 橘玲 公式BLOG