新聞記者を最近まで勤めてきた私としては、うらやましいという嫉妬に似た感情を覚えた。とにかくエビデンスが詳細で、これなら「原巨人監督」の「一億円恐喝問題」で巨人から名誉棄損の裁判を起こされて最高裁まで文春の主張が認められたのも当然だと思う。 私が勤めてきた朝日新聞はリベラルな会社ではあるが、記者たちは縦割りで、取材にはテリトリーがある。それぞれの部署の仲もよいとはいえない。これでは機動的な動きがとれない。だから「原一億円恐喝問題」でも文春さんに後れをとり、悔しい思いもした。 「清原覚せい剤逮捕」にしても、実はそれ以前に私の同僚だった記者が週刊朝日で「グリーニー(興奮系薬物)が球界に蔓延している」というスクープを放っている。その際「清原はもっと根が深い」という情報もあった。しかし裏とりに難航しているうちに彼は本紙の特別報道チーム(当時)に移り、この問題を詰めきれずに記事化できなかった。 新聞記