フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はこのほど貧困対策の一環として、避妊具を無料配布するよう政府各機関に大統領令で指示した。同国では推計600万人の女性が避妊具を手に入れられない状況にあるという。 とりわけ貧困層の望まない妊娠を減らしたいというドゥテルテ大統領の政策には、避妊を認めないローマ・カトリック教会から激しい反発が予想される。ピュー研究所によると、フィリピンでは人口の約8割以上がカトリック信者だ。 アキノ前政権も、避妊具使用を認める法律成立に長年取り組んでいた。しかし、人工妊娠中絶に反対する団体の反発を受け、2015年には最高裁が避妊具の配布を一時停止する判断を下した。政府は不服を申し立てている。