スマートグリッドは、送電・配電の最適化やモニタリング、再生可能エネルギーの取り込み、電気自動車の投入、スマートメーターなど、多岐にわたる分野の製品/技術で構成される。先行する米国では、この中でも特にスマートメーターの導入を巡って、議論があった。今回は、なぜスマートメーターが必要なのか、どういう仕組みなのか、使用上の問題点は何かについて解説する。 なぜスマートメーターが必要なのか スマート(賢い)メーター以前のメーターは、ダム(馬鹿)メーターと呼ばれ、電力使用量の累積を表示するだけのアナログメーターだった。情報通信技術の発達と電力を取り巻く環境の変化により、アナログメーターの弱点が顕在化してきた。弱点は大きく二つある。 (1)発電にかかるコストを電気料金に反映できない 発電にかかるコストは季節により変動する。一日のうちでも、深夜は電力需要が低いため発電にかかる費用も低い。午後は一般的に需要が