日本映画界を代表する鬼才監督、押井守。 かつて、『タイタニック』のジェームス・キャメロンをして 絶賛させ、また、押井の名を世界に知らしめたのが、 アニメーション『パトレイバー2 the MOVIE』である。 緻密に書き込まれた乾いた映像の見せる切なさが、 押井の戦争論と共に、眼前に白く満ちる。 「戦争だって?そんなものはとっくに始まってるさ。 問題なのは、いかにケリをつけるか、それだけだ。」 つまり、第三次世界大戦はすでに始まっているのだ……。 本書は、世界に衝撃を以て迎えられた本作が制作されるに あたっての押井の演出ノートであり、「なぜその映像がそこに あるか」を全て明らかにしたものである。 「映像」というものに少しでも興味を持つ者全てに、 本書は有効である、と思われる。