バイデン米大統領が、第二次世界大戦中にニューギニア島付近で行方不明になった米軍人のおじについて、現地の「人食い人種」に食べられたととれる発言をしたことが波紋を広げている。AP通信によると、パプアニューギニアのマラペ首相は「我が国がそのようなレッテルを貼られるいわれはない」と反発した。 バイデン氏は今月17日に東部ペンシルベニア州で、戦時中に行方不明になった兵士らの記念碑を訪れた。その後の演説で「おじは米軍機に搭乗中、ニューギニアで撃墜された。遺体は発見されなかった。当時その地域には多くの人食い人種がいたからだ」と発言した。 これに対して、マラペ氏は21日の声明で「バイデン氏はおじが人食い人種に食べられたと示唆したようだが、失言だろう。米国には第二次大戦の残骸の除去や遺骨の回収を進めるよう求める。そうすれば、バイデン氏のおじに関する真実が示されるだろう」と述べた。 国防総省の記録によると、バ
2025年大阪・関西万博(4月13日~10月13日)は30日で開幕まで500日となり、この日、入場券の前売りが始まる。会期中の目標入場者数は約2820万人。日本国際博覧会協会(万博協会)は2300万枚を準備し、約6割の1400万枚を前売りで見込む。開幕までに一定の収入を確保することで、安定運営につなげたい考えだ。一方、入場日時やパビリオンの予約は24年秋以降しかできず、海外パビリオンは未着工と肝心の「中身」もおぼつかない。 万博関連費用は大きく二つに分けられる。一つは2度の上振れで最大2350億円まで膨らんだ会場建設費、もう一つが運営費だ。建設費は国、大阪府・市、経済界が3分の1ずつ負担し、大屋根(リング)や大催事場、迎賓館といった建物やインフラ整備に充てられる。日本館や民間パビリオンなどは含まれない。一方、運営費は会場の警備費やスタッフの人件費、広報宣伝費などを想定。当初は809億円で、
「アート作品活用・保全検討チーム」初会合の冒頭で発言する吉村洋文知事(右奥)=大阪市住之江区で2023年8月18日、山田夢留撮影 大阪府所蔵の美術作品105点が咲洲(さきしま)庁舎(大阪市住之江区)の地下駐車場に置かれている問題で、府は18日、専門家らで作る「アート作品活用・保全検討チーム」の初会合を同庁舎内で開いた。吉村洋文知事は会議の冒頭で「今月中に地下駐車場の作品の移転に着手する」と表明。移転先は府有施設を検討しているという。チームは今後、105点を含む府コレクションの活用や保全について協議し、今秋に中間報告、来年2月ごろに最終報告をとりまとめる。 チームは山梨俊夫・前国立国際美術館館長が座長を務め、鷲田めるろ・十和田市現代美術館館長、木ノ下智恵子・大阪大21世紀懐徳堂准教授と、上山信一・府特別顧問が出席。府側からコレクションの収集経緯や現在の保管・展示状況などについて説明を受けた。
商店や民宿などが建ち並ぶ西海岸の集落=粟島浦村の釜谷地区で2023年6月21日午前11時18分、中津川甫撮影 マイナンバーカードの交付率が全国で初めて100%になった新潟県粟島浦村が5月末時点で交付率101・18%になったことが7日、関係者への取材で判明した。交付数が人口を上回った形だが、総務省によると、紛失での再交付なども計上するため、100%を超えることがあるという。 総務省は交付率が100%を超え、実態にそぐわない状況になっていることから、集計方法を見直し、今後は実数に近い集計も出す方針を固めた。来週にも公表する。 粟島浦村は4月末、総務省の調査で交付率が100%になった。5月の交付率は、全国の交付状況を調べている「地方公共団体情報システム機構」から自治体に通知があった。
バレエ公演の幕あいに劇場内のビュッフェで列を作る人たち=ロシア北西部サンクトペテルブルクで2023年6月9日、大前仁撮影 英専門家、その強じんさを分析 ロシアのウクライナ侵攻から1年以上が経過し、欧米のロシアへの制裁が続いている。だが、ロシア経済は持ちこたえ、戦闘が収束する気配はない。ロシア経済を分析する英コンサルティング企業「イースタン・アドバイザリー・グループ」代表のリチャード・コノリー氏は、ロシア経済の耐久力をロシア製自動小銃にたとえて「カラシニコフ経済」と呼ぶ。コノリー氏へのウェブインタビュー前編は、ロシア経済の現状と強じんさの秘密に迫った。【聞き手・ブリュッセル宮川裕章】 後編・「国家も国民も環境に順応」 ――ロシアの2023年1~4月期の財政収支は約3・4兆ルーブル(約5・5兆円)の赤字でした。ただ、財政負担の増加はウクライナ侵攻の歯止めにはなっていません。 ◆赤字の背景には軍
東芝が日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案を受け入れた。経営を厳しく監視し、改善要求を突きつける「物言う株主」の圧力にさらされ、外部から再建策を募る異例の事態は、国内ファンドに再建を託すことで決着した。2015年に発覚した不正会計問題から引きずるガバナンス(企業統治)の機能不全を克服し、新たな株主のもとで生まれ変わることはできるのか。 「仕事があって働けるなら上場廃止になってもいい」 東芝の従業員からは非上場化をやむを得ず受け入れる声が目立つ。長年、株主から合理化や再編を迫られ、トップが次々に交代するなど極めて不安定な経営が続いてきた。「上場が維持されたら株主の構成は変わらない。彼らの『出口』(株売却の機会)を探せなくなってしまう」。海外投資ファンドから早く逃れたい東芝側の本音を従業員が代弁する。 JIP陣営の買収によって物言う株主の影響下から約5年ぶりに脱することになる。外資による支
愛知県警岡崎署(同県岡崎市)の留置場で無職男性(43)が勾留中に死亡した問題で、署幹部が身体を拘束された状態の男性に暴行していた疑いがあることが、県警関係者への取材で判明した。また、保護室内の便器に男性の後頭部が入った状態で、署員がトイレの水を流した疑いがあることも明らかになった。県警は特別公務員暴行陵虐容疑も視野に、関係した署員らから事情を聴いている…
自民党安倍派の会合に出席する安倍昭恵氏=東京都千代田区で2022年7月21日午前11時53分、竹内幹撮影 故安倍晋三元首相の妻昭恵氏が気になる。夫の政策と異なる脱原発を掲げ、周囲の反対をよそに居酒屋を開店。型破りのファーストレディーだとブレークした。一方で、森友学園への国有地売却問題で関与が指摘され、国政を揺るがした。「忖度(そんたく)」なる言葉が広まり、公文書改ざんをめぐり自殺者を出したほどの疑惑でキーパーソンとなったファーストレディーは前代未聞だ。 これからどうするのか。政治ジャーナリストの泉宏氏が明かしている。 泉氏によると、昭恵氏は最愛の夫を突然失った際、安倍家から出ていくべきかとどまるかで悩み抜いたという。死後離婚も考えたが、地元山口で後援者たちと交流するうちに「安倍昭恵として生きるべきだ」と考えるようになったという。 そして、メディアなどで対立が喧伝(けんでん)され続けた義母の
水着の上に着ることで日焼けを防いだり、肌の露出を控えたりできるラッシュガード。最近は学校のプールの授業でも愛用者が増えているが、着用を巡って校長の面談が必要だったり、医師の診断書を基に許可したりする学校もある。ラッシュガードを着ることが、なぜこんなにも困難なのか。本紙の情報提供窓口「つながる毎日新聞」に現場の実情を寄せた教師らの本音や識者の見解から、そのわけを探った。【中嶋真希】 今年は「ダメ」 突然のルール変更 「今年初めての水泳の授業で、ラッシュガードを着ていた女子生徒たちが男性教諭から脱ぐように指示されました」 東京都杉並区の40代女性は、中学2年の娘が通う学校で起きた出来事を嘆いた。「先生は『皮膚疾患がある生徒以外は着用できない。タイムが出ないし、子供は肌が黒いほうがいい』と言ったそうです」。50代の父親も「脱ぐように指示したのは男性。男性が、男子の前で女子のラッシュガードを脱がす
長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典であいさつする岸田文雄首相=長崎市の平和公園で2022年8月9日午前11時28分、平川義之撮影 長崎市の平和祈念式典で岸田文雄首相が述べたあいさつは、6日に広島市であった平和記念式典でのあいさつと大部分が同じだった。長崎市と広島市の式典で述べる首相あいさつがほぼ同じであることは安倍晋三元首相の頃から指摘され始め、被爆地・広島選出の岸田首相の対応が注目されたが今年もほぼ同じ「コピペ」だった。 あいさつは「広島」と「長崎」を入れ替え…
財務省は26日、各省庁の事業の無駄を調べる予算執行調査の結果を発表した。75歳未満の自営業者や無職の人が加入する国民健康保険で、1カ月当たり80万円を超える高額な医療費が発生した場合に超過部分の一部を国が負担する制度について「廃止に向けた道筋を工程化すべきだ」とした。 この制度は、全国の市区町村が国保の運営主体だった時、高額医療が発生すると規模の小さな自治体では大きな財政負担が生じる恐れがあったため、影響を緩和させる目的があった。 運営主体は2018年度、財政安定化の狙いから都道府県に移された。財務省は廃止を提言した理由として、市区町村の財政を脅かす制度開始当初の懸念はなくなっているためだと説明した。制度に充てる22年度の国の予算は920億円を計上。高齢化や医療の高度化を背景に増加傾向にある。財務省はまず80万円としている基準額を引き上げ、予算規模を大幅に縮減すべきだとした。
後藤茂之厚生労働相は18日の参院予算委員会で、政府が大量の在庫を抱える布マスク「アベノマスク」について、約53万枚が記録上配布されていないにもかかわらず、実際の在庫に存在していないことを認めた。後藤氏は「急いで作業を行わなければならない状況だったとはいえ、在庫数にずれが生じていることは大変遺憾だ」と陳謝した。 立憲民主党の田島麻衣子氏が「記録された調達数から配布数を引くと在庫数と合わず、約53万枚が消えている」と指摘した。それに対して後藤氏は「計算上の在庫数よりも実際の在庫数が約53万枚少ないのは事実だ」と説明。「当時は少しでも早く国民にマスクを届けるということで、毎日全国の作業拠点で並行して大量のマスクの納入、梱包(こんぽう)、配送を行い、作業の過程で配送数の集計のずれなどにより生じたと推測される」…
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使=米ニューヨークの国連本部で2022年3月4日、国連のウェブTVから 米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は10日、英BBCのインタビューで、ウクライナでのロシア軍の攻撃は「戦争犯罪を構成する」との認識を示した。米政権幹部がロシアの行動を「戦争犯罪」と明言するのは初めてとみられる。 ウクライナ東部マリウポリでは9日、市内の産婦人科・小児科病院がロシア軍の空爆を受け、子供を含む少なくとも3人が死亡。国際的な批判を呼んでいる。 トーマスグリーンフィールド氏は「我々は国際社会の他の人々とともに、ロシアがウクライナの人々に対して犯している罪を記録することに取り組んでいる。(そこには)いかなる方法でも正当化できない民間人への攻撃がある」と述べた。
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