まつもとさん自身によるStreemについての解説は、今後日経Linuxで順次掲載されるようです。まつもとさんがStreemについて解説する内容は、おそらく、プログラミング言語設計に関する高レベルなものとなるのではないでしょうか。 本記事はそれとは無関係に、2015年1月に公開されているStreemについての低レベルな解説、つまり現時点のStreemのソースファイル(の一部)の読み解き方を示します。具体的には、GitHubのStreemリポジトリにある「lex.l」と「parse.y」という2つのソースファイルについて解説します。 Streemのソースファイルは、https://github.com/matz/streemからダウンロードできます。画面右下にある[Download ZIP]ボタンをクリックしてください。 lex.lとparse.y ダウンロードしたStreemソースファイルの
9月27日、今年2月に設立された株式会社角川アスキー総合研究所の第1回シンポジウムが、東京都港区の明治記念館で開催された。MITメディアラボ所長の伊藤穰一氏、ドワンゴ代表取締役会長の川上量生氏、Rubyアソシエーション理事長のまつもとゆきひろ氏をプレゼンターに迎え、この顔ぶれによるパネルディスカッションも行われた。 伊藤穰一氏は、「『創造性のコンパス』モデル」と題して、サイエンスとエンジニア、アートとデザインという4つの領域を比較。サイエンスとアートは直感的な要素が強く、技術とデザインはロジックの世界だ、と述べた。 伊藤氏によれば、いまのコンピュータは、直感的な領域が苦手で、ロジックの部分でしか人とコミュニケーションをとれていない。また、いまの教育も、同じようにロジックで教えている。ところが、人間が意識している脳のロジック部分というのは、そんなに頭がよくはない。人間のロジックはDecept
RubyKaigi 2013 レポート まつもとゆきひろさん、Rubyに影響を与えた言語とRuby開発初期を語る。 ~ RubyKaigi 2013 基調講演 1日目 2013年5月30日~6月1日の3日間、お台場にある東京国際交流館にてRubyKaigi 2013が開催されています。毎日1つある基調講演をそれぞれレポートします。 1日目の基調講演では、RubyのパパであるMatzこと、まつもとゆきひろさんが「Rubyのつくりかた」と題して話をしました。まつもとさんは今までのRuby会議すべてで基調講演をしており、いわば定番のキーノートと言えるかもしれません。 Ruby 以前 Rubyを作る前、まつもとさんとコンピューターの関わりについて、歴史をおって話しました。 1979 BASIC まつもとさんが初めてプログラミング言語と触れあったのは1979年のことで、SHARP製のポケットコンピュ
「Rubyはバージョン2.0で、言語としてほぼ完成した」――。東京・目黒雅叙園で2月15日まで開催している「Developers Summit 2013」で、Rubyの生みの親であるまつもとゆきひろ氏(写真)はこう宣言した。 Ruby 2.0は、Ruby生誕20周年を記念して、2013年2月24日にリリースする予定の新バージョン。まつもと氏は講演の中で、バージョン2.0の新機能を披露するとともに、Rubyの今後についても言及した。「言語を壊さず(互換性を維持した状態で)、これ以上新しい機能を追加するのは難しい」(まつもと氏)ため、言語仕様としてはほぼ完成したと考えているという。しかし「言語は改善を続けなければ死んでしまう。今後もRubyの実装をより高速化したり、マルチコアへの対応を強化するするなど、互換性を維持した形でRubyをより良くしていきたい」考えだ。 今回の講演ではRuby 2.0
世界で愛されるプログラミング言語Rubyの作者まつもとゆきひろ氏。その開発メンバーも約半数は海外。仕事として開発できたから今のRubyがあると、まつもと氏は言う。そして、Rubyを自分の技術力やツールを発信するための踏み台に活用してほしいと語る。 Rubyコミュニティーはどのように活動しているのですか。 ソースコード変更の権限を持つコミッターは90人弱います。日本人は約半分で、他は海外にいる方です。ただし、Ruby本体を開発している人の他にも、ライブラリを開発している人や、さまざまなOSへの移植や検証を担当している人、ドキュメントを整備してくれている人もいます。その中で、本当にコアの部分を開発しているのは5~6人。それは全員日本人です。 Rubyには毎日10~20件のコミット(変更)があります。全部は見切れないですね(笑)。最近は自分自身でRubyを直すことはほとんどなくなりました。自分が
2012年9月に行われた札幌Ruby会議2012の基調講演の1つで、Rubyの生みの親のまつもとゆきひろさんが、最近あった面白いエピソードを混じえて“イノベーション”の本質について語っていました(44分の動画)。ポイントとなる部分をまとめてみました。まつもとさんの話はもちろん、統計的裏付けだとか学問的裏付けがある議論というものではありませんし、ご本人も楽しそうに話し、聴衆も楽しんでトークを聞くというゆるい感じのものでした。ただ、「イノベーションの本質は捉えがたい」というメッセージや、「だからあれこれ考えずにコードを書こう、われわれはコードを書くことにアイデンティティを感じているのだから、それこそがハッピーになる道だ」というメッセージは、参加していたRubyistたちの胸に響くものがあったのではないかと思います。 以下、口語文体のまま、ポイントとなる前半のトークをまとめてみました。トーク後半
Rubyの生みの親、まつもとゆきひろさんが、ついに新しいRuby実装である「mruby」のソースコードをGitHub上で公開しました! 2012年4月20日です。ライセンスは、MITライセンスとなっています。 以下にまつもとさんがmrubyについて語るインタビュー動画を貼り付けます。18分30秒のあたりからどうぞ。インタビューは昨秋の時点でのものです。 公開されたmrubyのレポジトリから、Readmeの一部を引用します。 mrubyはISO規格に準拠したRuby言語を様々な環境で動作可能となるように軽量化したものです。モジュール構成によりインタプリタ実行形式やコンパイル&VM実行形式でも動作させることができます。 2010年度の経済産業省の地域イノベーション創出事業により開発されました。 MRI(Matz Ruby Implementation)版との互換性 以下要修正 + シンプルな文
その立場の違いが際立つのが、プログラミング言語が登場したばかりの1950年代に見られる"FORTRAN vs. LISP"という構図だ。いずれも機械と人間という2つの立場をそれぞれのやり方で取り入れた言語である。 1954年に誕生した世界初の高級言語、人間にわかる言葉=数式でプログラムできるように開発されたFORTRAN(FORmula TRANSlator)は、ループアンローリングやベクトル化を取り入れ、"速く計算する"ということにこだわった。その時代背景にはコンピュータが非常に遅かったという事情がある。しかし、当時、言語の常識がまだ存在しなかったこともあり、「スペースを全部落とすなど、"人間のため"という点では未熟な部分が多かった」(まつもと氏)という。 一方、1958年に誕生したLISP(LISt Processor)は"人間のため"がFORTRANより向上している。ラムダ計算を理論
プログラミング言語Rubyの開発者であるまつもと ゆきひろ氏は2011年7月、米Salesforce.comが2010年12月に買収したRubyのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)ベンダーであるHerokuのチーフアーキテクトに就任した(関連記事)。まつもと氏にSalesforce.comとの関係や、オープンソースと企業のかかわりなどを聞いた。 正式な肩書きは「Chief Architect、Ruby」です。基本的には「Rubyの開発を支援したい」ということでポジションをいただいた形になります。Salesforce.comの一員であるため、同社の広報などでお手伝いすることがあればもちろんしますが、基本的にはRubyの開発を継続するというのがミッションであり、業務です。これまでの、ネットワーク応用通信研究所や楽天技術研究所のフェロー、Rubyアソシエーションの理事長といった仕事
「気分やノリがソフトウェア開発には重要だ」と断言し、そこに注目して自らRubyを開発してきたまつもとゆきひろ氏は、どのようにしてプログラマに育ち、Rubyを生み出し、そして開発を続けてきたのでしょうか? 今や日本初のオープンソースソフトウェアとして100万人規模のユーザを持つRuby。数々の賞を受け、なおも変化と成長を見据えるまつもと氏が日本最大のゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC2011」にて、自らの若かりし日々から長いRubyの開発の歴史とそこで培われたコンセプト、そして未来への展望までを余すところなく披露してくれました。「Ruby開発が教えてくれたこと」と題されたこの講演の全内容は以下から。 まつもと: はじめまして、まつもとゆきひろです。 最近はRubyを開発した人ということで有名になりましたが、Ruby自体ゲームのソフトウェアというより、それを動かすサーバとして使用して頂
米Herokuは2011年7月12日(現地時間)、Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏が「Rubyチーフアーキテクト」に就任したと発表した。Herokuは、米Salesforce.comが2010年12月に買収したRubyのPaaS(Platform-as-a-Service)ベンダー(関連記事)。まつもと氏は、従来通りRubyコミュニティでのオープンなRubyの開発や、ネットワーク応用通信研究所および楽天のフェローを継続する。 「1995年にリリースされて以来、Rubyは急速に成長し、世界中の何万人もの開発者によって使用されている。 Comcast、Best Buy、AT&Tのイエローページ、Hulu、Twitterなどが採用し、15万以上のアプリが開発されている」(Heroku)。 Herokuでは「これからもMatz(まつもと氏)とそのチームにこの言語のデザインとアーキテクトの発展
コード・ジェネレーションとは,ユーザー・インタフェース作成やDBアクセスなど似たようなコードが何度も登場する場合に役立つ手法です。開発したコードを読み込ませることで,定型部分を自動生成できるからです。今回はコード・ジェネレーションに向いたRubyを例に考え方,導入方法を紹介します。 コンピュータ業界に身を置いていると,日本は外国からの影響を受けやすいと強く感じます。ほとんどのコンピュータ技術が外国生まれなので,仕方のないことなのかもしれません。米国製アーキテクチャのPCに,米国製のOS(私のはフィンランド産ですが)を使い,使用するアプリケーションの多くも外国産です。ソフトウエアの流行も米国に半年から数年遅れて広まるため,海外の状況を見ていると大まかに日本のソフトウエア業界の将来を予測できます。 純粋な日本生まれのRubyにも同じ傾向があるようです。2005年12月に正式版が登場した「Rub
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、RubyWorld Conference開催実行委員会との共催により、島根県松江市にて「RubyWorld Conference 2010」を開催します。本日プログラムを公開し、参加者の募集を開始しました。 国内外から、プログラミング言語「Ruby」に関する著名人を招き、技術動向、活用事例、標準化などについて幅広い情報発信を行います。 「Ruby」は、ソフトウェアの生産性を大きく向上させる新しいプログラミング言語として、様々な分野のソフトウェア開発の現場で、高い関心を呼んでいます。その機能や開発の動向をさらに多くの人に周知するため、Rubyに関する最新技術や、標準化の動向、先進的な活用事例などを紹介する「RubyWorld Conference 」を、昨年に引き続きRubyにゆかりの深い島根県松江市にて開催します。 IPAは、R
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