ひとつの時代が終わっていく。スタジオジブリが大きな曲がり角に差しかかり、2013年は日本映画界にとっても節目の年となった。子供向けという枷を外した『風立ちぬ』の公開中に、72歳の宮崎駿監督が「長編劇場アニメ映画引退」を発表した衝撃は言うまでもない。そして、もう完成などしないのではないかと囁かれていた、78歳の高畑勲監督の執念の一作『かぐや姫の物語』が満を持して公開された。『となりのトトロ』『火垂るの墓』の2本立ての封切を、空席の目立つ劇場で観てから四半世紀。潮目が大きく変わる中、気になる言葉を目にした。それは、『かぐや姫の物語』の広告コピー「製作期間8年、総製作費50億円の娯楽超大作。」である。 ある日の新聞広告では、このサブコピーの方がメインコピー「姫の犯した罪と罰。」よりも大きく太くレイアウトされていた。かつてハリウッド大作ではよく見かけたハッタリ型の惹句だが、ジブリとしては異質だ。『
今回は、スタジオジブリ作品の「かぐや姫の物語」(監督・高畑勲)の公開が延期された件を、興行面から触れる。マスコミ各社に延期情報が入ったのは、2月4日の夜で、その情報解禁は、2月5日の午前6時以降だったようだ。その前に記事化したところもあったようだが、いずれにしろ、製作の遅延から、公開は今年の夏から秋に延期となったのである。「絵コンテの完成が遅れている」というのが、その理由とされる。 製作の遅延によるジブリ作品の公開延期は、「ハウルの動く城」(監督・宮崎駿)が有名だ。2004年の夏公開から11月(05年の正月作品)に変更された。だから、監督は違うとはいえ、今回の延期にそれほどの驚きはない。また、やったかという程度である。高畑監督の「ホーホケキョ となりの山田くん」では、 “制作は、順調に遅れています” というキャッチコピーで、延期をほのめかすような逆手の宣伝戦略に出たこともあった。これは、か
松任谷由実 (まつとうや ゆみ) 1954年、東京都出身。映画「風立ちぬ」主題歌の「ひこうき雲」は、1973年に発売された同名のデビューアルバムに収録されている。 宮崎駿監督の新作アニメーション映画「風立ちぬ」が公開中だ。主題歌は荒井由実(松任谷由実)さんの「ひこうき雲」。二つの希有(けう)な才能の出会いは映画にどんな息吹を吹き込んだのか。そして、時代の最前線を走り続けてきたクリエイターとして感じたこととは――。松任谷由実さんに聞いた。 ――思い起こせば、昨年12月9日。『魔女の宅急便』のブルーレイ発売記念イベントでスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーから「ひこうき雲」を映画で使わせてほしいという提案が突然あったわけですが。 松任谷 びっくりして何が起こったのかよく分からなかったですね。タイミングがタイミングだけにイメージソングとかそういうことなのかな、と。まさか主題歌とは。 ――宮崎
宮崎駿の最新話題作「風立ちぬ」を見てきました。 いつもながらの宮崎アニメの「こだわり」が濃密です。SE(効果音)に人間の肉声を使うなど、そのサウンドへのこだわりも話題のひとつ。ドルビーサラウンドなど高音質での制作や上映が常識化している時代に逆行するように、あえて全編モノラル音声が貫かれています。 プロデューサーの鈴木敏夫氏によれば、「『ナウシカ』以来ずっとジブリ作品の音響を聴き直してみたんですが、やっぱりモノラルが1番いいだろうという結論に達しました」と語っています。 でもなぜモノラルなのか? 音楽家で、映画『モテキ』で日本アカデミー賞 優秀音楽賞を授賞した岩崎太整さんが、この映画についてこんなことを言っています。 >モノラルっつーのは本来音に集中させるのに最も適しているんです。 >モノラルを単なる拘りだとか、懐古主義的な意味合いで考えて >グッときているようなのはその本質を全く捉えてない
※「別冊COMICBOX/Vol.5『ホーホケキョ となりの山田くん』を読み解く!?」(99年8月10日/ふゅーじょんぷろだくと発行)掲載。再録に当たって若干加筆しています。 高畑作品の映像表現に込められた精緻を極めた演技設計、莫大な労力、革新的技術などを全て確認出来る人は稀だろう。 「山田くん」の技術については、最新技術と手描き作業を融合させた「フルデジタル」の処理行程に注目が集まっている。だが、この詳細については、ここではあえて触れない。(別項参照) 高畑作品は、一見目新しくない表現に奥深い楽しみが隠されていることが多い。ここでは、あえてそうした表現の一つ一つにスポットを当ててみたい。いわば“裏”技術論である。ただし、これらは「山田くん」に詰め込まれた情報の氷山の一角に過ぎないことをお断りしておく。 まだ試写を観た程度で研究不足の感はあるが、そこは今後の課題として御容赦願いたい。 1.
ジブリは決して続編を作らない有名ゲームスタジオのようなもの――スタジオジブリに入社したドワンゴの川上量生氏が見た,国内最高峰のコンテンツ制作の現場とは 副編集長:TAITAI カメラマン:田井中純平 1234→ 川上量生氏といえば,あのニコニコ動画を運営するドワンゴ(正確には,運営は子会社のニワンゴ)の代表取締役会長として知られる人物である。 スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが書いた川上量生氏の似顔絵 以前,4Gamerでもインタビューをしたことがある同氏だが,その明瞭かつ論理的な思考力と,どこか捉えどころのない考え方は非常にユニーク。「なるほど。この人にして,ニコニコ動画あり」と思わせるほど,その発想は独創的だ。 そんな川上氏だが,なんとドワンゴの代表取締役会長という肩書きを持ちながらも,あの宮崎 駿&鈴木敏夫らが率いるスタジオジブリに“カバン持ち”として入社したのだという。 着メ
DVDになって初めて見た。面白かった。公開時よく言われていたように不可解な映画でもあり、なるほどこれは一部の人々に謎解きを迫るような仕掛けが随所にあるとは思った。そして率直に言って、私にはこの謎解きができるだけの文学知識はないと早々に観念もしたし、さらに率直に言えば、謎解き用に見える各種の鍵はポエジーとしての手法の部品であって、いわゆる謎解き風に謎を解くことはこの映画理解の本質ではないのではないか、そうも思った。 この手法は私には、吉本隆明の、おそらく詩人としての最上の仕事である「記号の森の伝説歌」(参照)や、西脇順三郎の、これも最上の仕事である「旅人かへらず」(参照)を想起させる。個人の人生に出現する具体的な体験の情感を、その具体個物から共有的な無意識に移し、瞑想的に深遠なるものを暗喩する手法である。なぜこの手法が存在するかといえば、個人の人生の体験とは、おそらく個人の人生を場として顕現
スタジオジブリは、アニメ映画「崖の上のポニョ」のメイキングDVDとBlu-ray Discの発売日を、7月3日から12月に延期した。作品中で流れている楽曲の原盤権の処理を行なっていなかったことが、発売直前になって分かったため。 発売を延期したのは、ポニョの製作過程を追った約12時間半のドキュメンタリーDVD/Blu-ray Disc「ポニョはこうして生まれた。~宮崎駿の思考過程~」と、同作品のDVDとポニョ本編のDVDをセットにした「崖の上のポニョ 特別保存版」。 鈴木敏夫プロデューサーによると同作品には、宮崎監督がCDで楽曲を聴きながら作業しているシーンが数多くあるが、うち1曲について、原盤権保持者から使用許諾を受けていなかったことが6月24日に判明。29日になって、ほかにも多数の楽曲で許諾を得ていなかったことが分かった。 中には、国内楽曲よりも許諾に時間がかかるとみられる海外レコード会
『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』などのアニメーション映画を手掛けた宮崎駿監督が11月20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会に登場、最新作の『崖の上のポニョ』や現代社会に対する不安、自らの映画哲学などについて語った。 前編は現在憂いていることや海外のクリエイターとの比較などの話だったが、後編では宮崎監督の作品や好きな映画などについての質疑応答を紹介する。 →悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編) 作品が分かりにくくなった理由 ――『崖の上のポニョ』でデボン紀を題材とされた理由はなぜですか? 宮崎 その前のカンブリア紀に魚はいませんから、魚がいっぱいいるのはデボン紀かなと。甲冑魚というのは私が子どものころ、とてもドキドキした記憶があるんです。だからデボン紀にしたのです。 ――初期の作品に比べて、最近は『崖の上のポニョ』のようにいろいろと解釈で
悪人を倒せば世界が平和になるという映画は作らない――宮崎駿監督、映画哲学を語る(前編):“ポニョ”を作りながら考えていたこと(1/4 ページ) 「悪人をやっつければ世界が平和になるという映画は作りません」 『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』などのアニメーション映画を手掛けた宮崎駿監督が11月20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会に登場し、講演を行った。 『千と千尋の神隠し』が2003年にアカデミー賞長編アニメーション部門作品賞を獲得するなど、宮崎監督は海外でも評価が高い。内外から200人以上の記者が集まり、10分間の講演後には1時間以上も質問が投げかけられた。時には笑いながら、時には真剣な顔で宮崎監督は、最新作の『崖の上のポニョ』や現代社会に対する不安、自らの映画哲学などについて語った。 以下、宮崎監督のメッセージをご紹介しよう。 ポニョと同時に保育園も作った 私たちが作った『(崖の上の
DAISHI DANCEが7月に発表した大ヒットアルバム「the ジブリ set」の特典CD付き特別限定盤が11月25日にリリースされることになった。 このアルバムは「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「風の谷のナウシカ」「もののけ姫」といったスタジオジブリの名曲をDAISHI DANCEがメロディアスなハウストラックでカバーするという内容。COLDFEETのLori Fineや金原千恵子、arvin homa aya、「ナウシカ・レクイエム」の原曲を歌った久石譲の娘・麻衣がゲスト参加しており、それまでの彼のリスナー層だったクラブミュージック・ファンのみならず、シーンを超えて幅広い人々から支持を集めている。 今回の特別限定盤は特典CDに「耳をすませば」でおなじみの「Take Me Home Country Home」のリミックスを2バージョン収録。オリジナルとは異なり、ウィンターシーズン
映画作品・映画人板からです。スレ投稿ありがとうございました。 ポニョのネタバレあり 管理人はこのスレ見てからもう一度見ようと思いました。 かなりレス番いじくって引用してます。 2008/09/03 21:30追加更新: 497氏からメールにてコメントを頂いたので記事末尾に掲載いたしました、興味ある方はご覧ください。 30 :名無シネマ@上映中:2008/08/08(金) 21:11:06 ID:gI67iKAK ポニョ見てガクガク震えた俺がきましたよ。 この映画はすげえよ。神かは知らんがすげえよ。 間違いなく宮崎駿の集大成だ。 ここでチラ裏させてくれ。 32 :名無シネマ@上映中:2008/08/08(金) 21:16:18 ID:gI67iKAK 俺の知識は一夜漬けレベルなので詳しい人は補完たのんます。 宮崎監督は神話の要素を毎回出してくるけど今回もてんこ盛りだったな。 自分の考えをま
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