新しい薬を使って執行したところ死刑囚が長く苦しんだからだ。死刑に使われる薬はこれまで、欧州の製薬会社から輸入してきたが、死刑廃止論の高まりを受け、欧州連合(EU)が輸出を禁止したことが背景にある。米国では32州で死刑制度があり、他州にも影響が広がりつつある。 オクラホマ州で4月29日に執行された死刑は、三つの薬を順番に投与し、意識を失わせた後に心臓を停止させる手順だった。最初の薬の投与から10分後、医師は死刑囚が意識を失ったことを確認。ところがその数分後、死刑囚が身もだえし、体を起こそうとするなど苦しみ出したため、執行を途中でやめた。最終的に、死刑囚は執行開始から43分後に心臓発作で死亡した。