昨年、ele-king編集部からMETAFIVEの取材をオファーされたとき、ぼくが手にしていた情報は、歌詞やクレジットなどの記載が皆無なアルバムの音源と、高橋幸宏、TOWA TEI、小山田圭吾、砂原良徳、ゴンドウトモヒロ、LEO今井からなる6人編成のバンドであるという、この二点のみだった。 何も考えずに音源を再生した瞬間から、1曲目“Don’t Move”のインパクトにまずやられ、2曲目“Luv U Tokio”の遊び心いっぱいの仕掛けに思わず笑みがこぼれ、収録された12曲をすべて聴き終えたあとの心地よい興奮は、期待をはるかに超えていた。 その期待値の超えかたは、ジョージ・ミラー監督やジョルジオ・モロダーといった、老境に入って久しいはずの巨匠が放った破格のカムバック作(前者は30年ぶりのマッドマックス・シリーズ最新作『マッドマックス/怒りのデス・ロード』、後者はソロ名義としては30年ぶりの