新型コロナの影響で家計が急変した学生の支援目的で、文部科学省が国立大学に交付した運営費交付金の77%が使われていなかったことが、会計検査院の調べでわかった。 検査院によると、文科省が支援の原資として2020年度に85大学に交付した約48億円のうち、21年度末で77%にあたる約36億9千万円が使われずに翌年度に繰り越されていた。まったく使われなかった大学も8大学あった。 文科省は各大学が申請した必要額を7倍した額を交付していたという。検査院は、今後使う見込み額を考慮しても、北海道大学などの69大学の約16億4千万円は過大だと指摘した。 文科省は20年度に別の修学支援制度も設けており、そちらで対応した大学も多かったという。文科省は「コロナで先が読めない状況の中、学生を手厚く支援するためだった。指摘を受けて今後、返還していく」としている。(座小田英史)