熊野創一郎さん(博士課程)と山崎俊彦教授(ともに東大大学院情報理工学系研究科)らの研究チームは、人工知能(AI)を安全に機能させるにはAIに備わるニューラルネットワークの「幅」を広げることが重要であることを明らかにした。成果は12月10日から16日にかけて米国で開催された国際会議「Conference on Neural Information Processing Systems (NeurIPS)」で発表された。 ニューラルネットワークは、脳の神経回路を模した情報処理網。最小単位の「ノード」は入力信号を変換する。その信号がノードから生えたさまざまな接続強度を持つ枝を通じて他のノードに伝達することで情報処理を行う。ネットワークの性質を決めるのは、一つの層に並列されたノードの数を表す「幅」と層の数を表す「深さ」。学習を通じてニューロン間の幅や深さを変化させ、的確な応答が可能になる。近年のA
北陸大学では教学IRデータを一元的に管理しているが、学生の授業内学習行動データ(LAデータ)の収集は未実施だった。そこでSaaS型LMS「manaba」の学修行動ログを利用し、LMSの利用度が高い科目であある「統計学Ⅰ:の成績予測を機械学習で試みた。XGBoostモデルを用い、教学IRデータの入学時アンケートの回答データを説明変数に加えたところR2値はわずかに向上した。単位修得の予測ではほぼ100%の精度を達成した。
学習者から得た活動情報を分析し、本人の学習や教員の指導を改善するために使う手法。国のGIGAスクール構想などにより、小学生から大学生まで各自のコンピューターで学ぶ環境が整ったのに伴い、注目されるようになった。 ラーニングアナリティクス(LearningAnalytics:学習分析)は、児童・生徒など学習者の学習ログや生体情報を分析することで、学習や授業の改善に役立てる。紙の教科書とノートでは、学習者がどのような活動をしているのか、教員が全てを把握するのは困難だった。だが、デジタル教材とラーニングアナリティクスを組み合わせることで、学習者が教材をどこまで閲覧したか、どの単語にマーカーを引いたか、小テストの結果はどうだったのかといったことが、分析画面でつぶさに分かる。テスト結果を分析し、AI(人工知能)が学習者のつまずきポイントを指摘したり、それに対応した問題を推薦したりするシステムもある。
(Image by GoodIdeas/Shutterstock) 勉強が出来るようになるコツは、自分の学習能力を客観的に監視・制御することです。このような能力は教育心理学で「学習の学習」や「メタ認知」と呼ばれてきました。しかし、その脳内メカニズムの理解は十分に進んでいません。認知能力の監視と制御という再帰的な構造を持つため、構成要素を分割して調べる還元主義的なアプローチが困難であったことが影響していると考えられます。 本研究では、人工知能(AI)とヒトのメタ認知を比較することで、研究パラダイム上の問題を克服しようとしました。 まず、金銭的な報酬の最大化と罰の最小化を目指す人工知能のメタ認知システムは、環境やタスクに応じて学習のスピードや記憶の保持能力を適切に調節できることを示しました。次に、運動スキルの上達を目的とした運動学習課題を実施中のヒトに金銭的報酬を与えることで、運動学習のスピー
「水曜サロン」は、一般社団法人 ICT CONNECT21の赤堀会長とみなさまとをつなげる交流の場です。 開催回ごとにテーマを設け、ゲストをお招きしお話をうかがいます。 その後、赤堀会長も含めた気軽な意見交換、トークセッションを行います。 次回開催の案内 第4期 第8回(通算第53回):学習行動の可視化によって何ができるのか?〜ラーニングアナリティクス研究のこれまでとこれから 日時 :2023年6月28日(水)18:00~19:00 形式 :オンライン(Zoomを利用します) 講師 :山田 政寛 氏(九州大学 データ駆動イノベーション推進本部 教授/ラーニングアナリティクスセンター 研究開発部門長) 【概要】 高等教育機関だけではなく、初等中等教育機関にも1人1台端末、WiFi環境が整備され、ICT活用型授業が広がっている。ICT活用のメリットとしては様々なメディアを活用した授業、学校教育
株式会社日本能率協会マネジメントセンター(代表取締役社長:張 士洛、東京都中央区、以下JMAM[ジェイマム])は、『ラーニングデザイン・ハンドブック』を2022年9月28日(水)より全国の書店、ネット書店にて発売しました。 本書の内容 急速に変わっていくビジネス環境下、L&D(ラーニング&デベロップメント;人材開発)に求められていることも当然違っているはずですが、日本においては、まだまだ、その変化に追いついていない現状があります。ラーニングテクノロジーも進んでいるものの、その導入が目的になったり、コロナ禍の影響から、今までの「集合研修」の代替えとしてのeラーニングの導入に留まったりしているのが現状かもしれません。 しかし、世界中のビジネス環境が変わる中、今L&Dへ求められる役割も大きく変わろうとしています。その役割がどのように変わろうとしているのか、研修の在り方の変遷とそれにまつわる学習理
グーグル傘下のAI企業であるディープマインドは、人間のフィードバックから学習し、主張の裏付けとなる情報をインターネットから検索するように訓練したチャットボットを発表した。 by Melissa Heikkilä2022.09.27 3 4 アルファベット(グーグル)傘下の人工知能(AI)研究所、ディープマインド(DeepMind)の新しい論文によると、AIを搭載した優れたチャットボットを生み出す秘訣は、人間に振る舞い方を教えてもらい、さらにインターネットを利用して自身の回答を裏付けるように強制することだという。 この記事はマガジン「量子時代のコンピューティング」に収録されています。 マガジンの紹介 9月22日の新しい査読前論文で、研究チームはディープマインドの大規模言語モデル「チンチラ(Chinchilla)」で訓練したAIチャットボット「スパロー(Sparrow)」を発表した。 スパロー
東北大学 大学院ラーニングアナリティクス研究センター(以下、LA研究センター)は2021年7月26日、キックオフシンポジウムを開催した。2020年12月1日にLA研究センターが設置されて以来、「LARC連続セミナー」と称して実施しているセミナーの3回目に当たる。 キックオフシンポジウムでは、センター長である東北大学大学院 教授の堀田龍也氏がLA研究センターについて紹介したのに続き、基調講演としてラーニングアナリティクス研究の第一人者である京都大学 学術情報メディアセンター 教授の緒方広明氏が登壇。LAは情報学や教育学はもちろん、心理学、脳科学、AI(人工知能)など幅広い分野の研究者が携わっていることや、LAの基盤システムとして開発した教材配信システムなどについて話した。 東北大学 大学院情報科学研究科が設置したLA研究センターは、こうしたキックオフシンポジウムの実施をはじめとして、これから
写真はイメージです(gettyimages) ◎星友啓(ほし・ともひろ)/スタンフォード大学・オンラインハイスクール校長。哲学博士。東京大学文学部思想文化学科哲学専修課程卒業。その後渡米し、スタンフォード大学哲学博士を終了。2016年より現職。新刊発売を記念してオンラインセミナー が7月18日(日)にあります。詳細&申込はこちらより。https://note.com/hosh_iteacher/n/nc7477a539b12 変化の激しい今の時代、「学ぶこと」は子どもや学生だけではなく、あらゆる年代の人に必要なことです。むしろ、充実した人生を送るためには、「学びは必須」、と言っても過言ではないでしょう。 【写真】スタンフォード大学・オンラインハイスクールの日本人校長、星友啓さん しかし、正しい学び方を知らないと効果が半減してしまうのも事実。現在の教育学の最前線では、これまでの伝統的な勉強法
この記事は、慶應義塾・社会学研究科の開講科目「社会心理学特論 I :心理学方法論の新展開」での課題活動と、ReproducibiliTea Tokyo の活動の一環として、まとめられたものです。ReproducibiliTea は、信頼できる科学を目指す、国際的な草の根ジャーナルクラブ活動で、Tokyo は文字通り、その東京バージョンです。各記事の対象論文の選定ならびに記事内容には、執筆者を含む参加メンバー全員の意見が反映されています。記事についてのご質問・ご意見等は、repteatokyo@gmail.com までお送りください。 本記事は,Smithersらによる “A systematic review and meta-analysis of effects of early life non-cognitive skills on academic”とCredéらによる”Much
愛媛大学社会共創学部は、地域の課題解決を担える人材の育成を教育理念に掲げ、理論と実践を相互に実施するカリキュラムを実施しています。また、学部内の学習を深める補助ツールとして、学修ポートフォリオシステム「ecrip」を導入し、学生は、半期に一度自らの学習内容を振り返り、教員・学生相互のコメントを受けながら、新たな学びに気付きながら学習を深めていきます。 本学部では、2020年3月に、初めての卒業生189名を社会に送り出す予定です。この度、2020年度就職・採用活動を前に、学生の学習成果を可視化するシステム『ecripDSD』※を導入しました。ecripDSDは、学生個々人の学習成果の集大成を示した書類を指し、学部が公式に発出するものです。 ecripDSDには、定量データ(成績)および定性(活動)記録が表示されという点で、従来のエントリーシート、履歴書とは異なるもので、就活の面接時などで活用
このノンテクニカルサマリーは、分析結果を踏まえつつ、政策的含意を中心に大胆に記述したもので、DP・PDPの一部分ではありません。分析内容の詳細はDP・PDP本文をお読みください。また、ここに述べられている見解は執筆者個人の責任で発表するものであり、所属する組織および(独)経済産業研究所としての見解を示すものではありません。 産業・企業生産性向上プログラム(第四期:2016〜2019年度) 「医療・教育サービス産業の資源配分の改善と生産性向上に関する分析」プロジェクト 発展途上国が抱える教育問題として、"Learning Crisis"(学びの危機)が指摘されて久しい。世界銀行は、開発途上国の子供たちの多くが、成人後の就労に結びつくような質の高い学びの機会を得られていないことに警鐘を鳴らしている (World Bank, 2017(注1))。そもそも就学しない子どもたちが多いという点のみなら
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