多くの東大生は、東大入学前は学校で一番優秀だった。しかし東大入学後、思うように成果を出せない苦しみを抱え込んでしまい、自分を傷つけてしまうことがある。平安時代の仮名文学、中でも『源氏物語』を研究する高木和子教授(東大大学院人文社会系研究科)は、「古典文学研究には唯一無二の正解がないように、人生も正解は一つではない。大学で多様な価値観を養うことが大切だ」と語る。(取材・葉いずみ、本田舞花) 高木和子(たかぎ・かずこ)教授 (東京大学人文社会系研究科)/1988年、東京大学文学部国文科卒。98年、東大大学院博士課程修了。博士(文学)。関西学院大学文学部教授を経て、2013年に東大人文社会系研究科准教授、17年より現職。著書に『源氏物語の思考』(風間書房)、『男読み源氏物語』(朝日新聞出版)、『源氏物語を読む』(岩波書店)、『源氏物語入門』(岩波書店)など。 「正解が一つで