奈良教育大学附属小学校(奈良市)が、一部教科で学習指導要領が定める内容を教えていなかったり、教科書を使わずに授業をしていたりした問題を受け、文部科学省は1月19日、附属校を設置している国立大学法人に対し、附属校のカリキュラムを改めて点検するよう通知した。また、奈良教育大の問題の背景にはガバナンスの機能不全があったとして、校長による意思決定や法人としてチェックが適切に行われているかどうかも確認するよう求めた。 奈良教育大が公表した報告書によると、附属小では▽国語で書道を教えていない▽道徳の授業を実施していない▽本来教えるべき学年とは別の学年で理科の内容を指導する――といった、学習指導要領に照らして不適切な事例が9教科(外国語活動を含む)で確認された。また、多くの教科で教科書を十分に使用せず、特に図画工作では全く使っていなかった。これは国の検定をパスした教科書の使用を義務付けている学校教育法に