神戸学院大学は、学校法人神戸学院の110周年記念事業として、「神戸学院物語 教育に懸けた夢と情熱」を神戸学院大学出版会から出版した。 1章の「校祖 森わさ――その足跡」は、若くして、夫を病気で亡くしてシングルマザーとなった淡路島出身の森わさが子ども3人を連れて神戸に移り住み、1912年に森裁縫女学校を創立したことを紹介。生徒8人から出発した後、戦前から戦後にかけて、次々と規模を拡大しながら教育機関として発展を続けることができた原動力は、教育者としてのわさの情熱と奮闘だったことを伝えた。 2章の「初代学長 森茂樹が見た夢――大学設立の情熱」は、わさの長男、森茂樹が京都帝国大学(現京都大学)を卒業し、戦前から戦後にかけて熊本医科大や京都大で「体質医学」を研究したことを紹介している。茂樹は山口県立医科大学長を退任した後、現在の神戸市西区の畑地に囲まれた用地に1棟だけの学舎を建設。教職員の確保など