何の努力をしなくても留学生が来ていた時代は過ぎ去った。逆に、日本の大学が外国人留学生向けの予備校に頭を下げ、受験をお願いする現象が起きている。そのターゲットは中国人だ。 MARCHレベルが来訪 「来年の大学受験の際は、ぜひうちを受けるよう声掛けをお願いします」 受験シーズンが終わった3月下旬。東京の有名私立大の担当者が「行知(こうち)学園」の本部(東京都新宿区)を訪れ、学園の職員に頭を下げた。 行知学園は、日本の大学に留学を希望する中国人だけが通う予備校だ。国内外に19拠点を持ち、学生数は約4000人。中国人が対象の予備校は新宿を中心に増えており、その最大手の一つに数えられる。今春には東京大に59人、京都大に31人、早稲田大に112人などと難関大にも数多くの合格者を送り出した。