発達障害があるために仕事で苦しむ人らを助けようと、自らも発達障害がある東京都日野市の弁護士伊藤克之さん(45)が労働相談に乗っている。就職した3割が1年以内に離職しているという調査がある一方、職種や環境により高い能力を発揮する人もいる。伊藤さんは「社会の理解と配慮がもっと進んでほしい」と訴える。ちょうど今夏、伊藤さんと同じ障害がある弁護士を扱った韓国ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」が日本でヒットし、理解が広がることも期待される。(原田遼)
自民党の山際大志郎氏(衆院神奈川18区)は24日夜、岸田文雄首相に経済再生担当相の辞表を提出した。その後、首相官邸で記者団の取材に応じ「(旧統一教会との関係に関し)外部から指摘をされることによって、それを説明するという後追いの説明という形になってしまった。結果としてそれが政権に対してもご迷惑をおかけすることになった」と述べた。議員辞職の考えを問われたのに対しては「国会議員として何か法に触れるようなことをやってきたというわけではありません」と否定した。 山際氏は、これまで旧統一教会の会合に複数回出席したことについて、「当該団体の信用を与えるような結果となってしまったことについては、深く反省もしておりますし、これからはそういうことがないようにやってまいりたい。国会議員の活動は、しっかりと信用を取り戻すためにこれからも続けたい」と話した。 一方で、旧統一教会と自らの関係は「それほど深い関係ではな
山際大志郎経済再生担当相は18日の衆院予算委員会で、自身と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点に関し「これから新しい事実が出てくる可能性がある。その都度、しっかり説明責任を果たす」と述べた。質問した立憲民主党の後藤祐一氏は「まだあるそうだ。そろそろ引き際ではないか」と語った。
27日に行われた安倍晋三元首相の国葬に対する反対デモや集会の参加人数を巡り、誤った情報が、Twitter上で相次いで拡散されている。「日本野鳥の会のカウントでは(反対派の人数は)307人」などとする情報については、同会が29日午前、「『会が参加者をカウントした』事実は確認していない」と発表。「警察発表で500人」とされる情報についても、警視庁は「発表していない」と否定した。このほか、別の場所で撮影された写真が主催者発表で1万5000人が集まった反対集会の写真であるとする誤情報も流布されている。 国葬反対集会は、東京都心では主に3カ所で開催された。主催者発表によると、参加者数は国会前で1万5000人、日比谷公園(千代田区)では1000人、錦華公園(同区)は600人となっている。
従軍慰安婦をテーマにした映画「主戦場」に同意なくインタビュー映像を使われたなどとして、米国人弁護士ケント・ギルバート氏ら5人が、ミキ・デザキ監督や配給会社「東風」(東京)に上映禁止と計1300万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁は28日、上映を適法として請求を退けた一審判決を支持し、ギルバート氏らの控訴を棄却した。 東海林保裁判長は一審東京地裁判決と同様に、双方が事前に交わした書面の内容について「商用公開されることを含むものだったと認められる」と判断した。 ギルバート氏らが「歴史修正主義者」などと表現され、名誉を傷つけられたと主張した点に対しては、映画で示された客観証拠などを踏まえると、必ずしも否定的な意味とはいえないと指摘。「社会的評価を低下させるとは認められない」と結論付けた。
専門職の人の労働時間規制を外す高度プロフェッショナル制度が、導入を主導した安倍晋三元首相らの当時の説明と懸け離れた運用になっている。経験が浅く希望もしていない人が高プロを適用された疑念が直近の調査で浮上。当時も今も所管の厚生労働相を務める加藤勝信氏は、当初の説明通りになっていない実態を指摘されても正面から答えず、制度を見直さない姿勢を示した。(池尾伸一、写真も) 高度プロフェッショナル制度 証券トレーダー、コンサルタントなど5業種の年収1075万円以上の社員を対象に労働時間の上限規制を外す制度。安倍晋三政権が政治主導で立案、過労死遺族や労働組合は「過労死を増やす」と反対したが2019年4月に導入された。今年3月末時点で21社22職場で665人に適用。2カ所の職場で在社時間と社外の労働時間の合計が月間400時間以上に達し、「過労死ライン」(残業含む労働時間月約273時間)を大幅に上回
安倍晋三元首相の国葬が実施される27日、警視庁は全国からの応援警察官を含む数万人態勢で、テロなどの警戒に当たる。国葬への批判の声が大きくなる中での警備に、同庁幹部は「相当な緊張感を持って臨むことになる」と話す。 21日、国葬の会場となる日本武道館(東京都千代田区)周辺を視察した警察庁の露木康浩長官。報道陣に「参列者の安全と国葬の円滑な執行が確保されるよう、警備に万全を尽くしたい」と述べた。
安倍晋三元首相の国葬に関し、国会の関与がないのはおかしいとの批判がやまない。岸田政権は国葬実施を内閣の一存で閣議決定したが、自民党内からも疑問の声が出ている。法律の専門家である衆院法制局と衆院憲法審査会事務局は、憲法の趣旨を踏まえ「国会関与が求められている」との見解を示した。国葬は27日に行われる。(坂田奈央、柚木まり)
あの森喜朗元首相の胸像建立計画が、有志によって進められている。理由は2019年ラグビーW杯、東京五輪誘致など、日本のスポーツ界における功績を示すため。首相経験者の銅像・胸像は全国にあるが、森氏は、数々の失言で批判されてきただけでなく、五輪汚職事件に関連し参考人として任意の事情聴取を受けたばかり。この計画、どうなるのか。(特別報道部・大杉はるか) 計画はスポーツ界関係者が中心となって発案し、寄付を集める内容。「5月ごろ、関係者から森先生のスポーツ界の功績を形に残すという話をいただき、賛同した」。発起人の一人で、東京五輪担当相も務めた自民党の遠藤利明総務会長の事務所スタッフが語る。胸像の設置場所は「聞いていない」という。別の発起人で、組織委会長を務めた橋本聖子参院議員は、事務所を通じ「森先生と親しい方々が集まった際、森先生の功績を顕彰するために建立しましょうという話になったと聞いている。私
世界平和統一家庭連合(旧統一教会、以下「統一教会」と表記)と自民党議員の関係が、連日話題になっている。殺害された安倍晋三元首相と統一教会の関係はいかなるものだったのか。その究明は喫緊の課題である。 統一教会問題を追い続けて来たジャーナリストの鈴木エイトは、事件前に書かれた「安倍政権下でもたらされた統一教会との“歪(いびつ)な共存関係”の弊害」(『日本を壊した安倍政権』扶桑社、2020年)の中で、すでに両者の関係に注目している。 安倍元首相と統一教会の関係は、官房長官時代に事務所からイベントへの祝電を送った程度で、もともとは深くなかった。むしろ「安倍自身はアプローチを断っていた形跡がある」。しかし、その関係は、第一次安倍政権が崩壊後に変化した。民主党政権が成立し、自民党が下野すると、有力議員たちは政権奪還に向けて動き始め、安倍は二〇一〇年と一二年に、教団関連の政治団体・世界戦略総合研究所(世
安倍晋三元首相の国葬が、天皇の国事行為以外で「国の儀式」として実施される初めてのケースになることが分かった。今回と同様、内閣府設置法に基づく式典には東日本大震災の追悼式などもあるが、いずれも「内閣の儀式・行事」という扱いになっており、極めて異例の対応だ。ただ、国事行為が憲法で裏付けられているのに対し、国葬は法的根拠そのものにも疑義を唱える声があり、有識者は事前に十分な国会審議が不可欠だと指摘する。(坂田奈央) 2001年施行の同法は、内閣府の所掌事務として「国の儀式」と「内閣の行う儀式・行事」を並べて明記。国葬に関する直接の規定はないものの、岸田文雄首相は「国の儀式として行う国葬儀は、閣議決定を根拠に行政が国を代表して行い得る」と説明している。 内閣府によると、これまで行われた「国の儀式」は、19年4月の天皇退位に伴う一連の儀式や、毎年元日に皇族がそろう「新年祝賀の儀」など、いずれも憲
政府は26日の閣議で、安倍晋三元首相の国葬に、国費約2億5000万円を支出することを決定した。ただ、省庁に弔旗掲揚や黙禱(もくとう)を求める閣議了解は見送り、国民に対しても弔意の表明を要望しないという。それならなぜ、多額の税金をつぎ込む国葬とするのか。位置付けにいっそう疑問が湧く。国民の批判を回避しようとする弥縫策(びほうさく)が、矛盾を拡大していないか。(特別報道部・岸本拓也、中沢佳子)
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