2020年02月23日15:46 カテゴリ本 疫病が世界史を変えた 新型コロナをめぐる騒ぎで私を攻撃してくる人々は「新型コロナには特効薬がないから怖い」と恐れている。治療法も予防法もなかった古代には、こういう未知への恐怖はもっと大きかったに違いない。 ローマ帝国では西暦165年ごろから疫病が大流行し、帝国の人口の1/4から1/3が死んだと著者は推定する。その病名は不明だが、天然痘か麻疹(はしか)ではないかと考えられている。 疫病は大量死という点では戦争と同じだが、その原因をコントロールできない。戦争は国家によって防げるが、疫病は隔離するしかなかった。細菌もウイルスも目に見えないので、ある人は急に病に倒れ、ある人は生き残るのはなぜか。ローマ帝国の多神教でも合理的な自然哲学でも、その原因は説明できなかった。 こういう状況で、キリスト教は急速に信者を増やした。それは目に見えない神を信じる者だけが