今の国会に、こども性暴力防止法案(「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律案」)が提出されている。教育や保育の場における子どもに対する性暴力の防止を目的とする法律案である。 まだ実質審議には入っていないようだが、この中にいわゆる「日本版DBS」と呼ばれる仕組みが織り込まれている。これは、一言でいえば、過去における性犯罪前科の有無を確認し、該当者を教育や保育の現場から制限ないし排除する仕組みである。 法案にはいくつかの問題点はあるが、一番の問題はこの前科情報についての扱いである。 法案は、教育や保育の現場に教員等として就業を希望する場合、自由刑については過去20年間、執行猶予や罰金刑については過去10年間まで遡って、性犯罪についての前科の有無を国を通じて確認し、これに該当する者がいれば、教員等としての業務に従事させない等の措置をとらなければ