研究者の歩きかたセミナー「大学発ジャーナルのDXに向けた連続セミナー」(2024年5月30日、6月27日、7月25日) 本連続セミナーでは、研究者や図書館員など大学の出版活動にかかわる人々が場を共にし、ダイヤモンドオープンアクセス(OA)としての大学発ジャーナルの意義を再考し、またその持続可能性や評価の向上に向け利用が期待できるオープンソースのツールや仕組みについて3回に分けて学びます。 昨年、内閣府より「統合イノベーション戦略2023」が示され、日本でも2025年度の公募分より公的資金による研究成果はオープンアクセスでの即時公開が求められることになりました。世界では即時OA実現の手段として、投稿料も購読料も必要としないダイヤモンドOA出版への関心が高まっています。 紀要をはじめとした日本の大学や研究機関で刊行される多くのジャーナルは、まさにダイヤモンドOA出版といえます。インパクトファク
大手学術出版社のシュプリンガーネイチャーは、同社の学術論文雑誌(ジャーナル)の利用が少ない日本の大学向けに、新たな転換契約を始めた。一橋大学、明治大学、千葉工業大学、埼玉医科大学といった単科大学や私立大学など13校が参加した。以前からある研究大学向け契約の参加大学数も21校に倍増した。2種類の契約を合わせた日本での同社のオープンアクセス(OA)論文は、2024年に約1900報と前年比倍増になる見込みだ。 各大学が出版社と結ぶ転換契約は、従来のジャーナル購読料に対し、購読者以外も論文閲覧ができるOA出版料を組み合わせた料金体系に転換するもの。契約した大学の所属研究者は、同社の2000誌以上のジャーナルで発表した論文を各大学の資金支援によってOA化できる。政府は未購読の大学の研究者や一般人が研究成果にアクセスできるようOA化を推進している。 シュプリンガーネイチャーは23年1月に日本で転換契約
2023年11月30日、米・マサチューセッツ工科大学出版局(MIT Press)が、オープンアクセス(OA)出版に関する白書”Access to Science and Scholarship: Key Questions about the Future of Research Publishing”を公開しました。 全体は2部構成で、パート1では、これまでのOA出版の概観がなされています。パート2では、学術出版におけるOAに関する新たな方針の影響の理解、検証、その影響に対する最善の準備のために、更に調査を進めるべき重要な課題について、6分野(アクセスとビジネスモデル、研究データ、プレプリントの出版、査読、研究者と大学のコスト、インフラストラクチャ)に分けて提示しています 。 New white paper “Access to Science and Scholarship: Key
多様な人が研究成果を活用できる「オープンアクセス」(OA)に向けて、大学と世界的な論文雑誌の出版社の間で「転換契約」が進みだした。雑誌の「購読料」と、他の場での発信も可能な「掲載料」という、二つのサービス・費用による仕組みだ。伝統的な出版ビジネスや研究者評価に影響があり、先進大学の取り組みから国を挙げての戦略に変わりつつある。サービスの利用者、提供者、そして一般社会の賛同が得られるよう注視が必要だ。(編集委員・山本佳世子) 若手研究者の支援急務 学術論文は研究者(著者)が研究成果を原稿にまとめ、出版社の論文雑誌に投稿し、専門家の査読によって品質を吟味されて受理となる。元々は印刷された論文雑誌が大学などの図書館に並び、所属の研究者が閲覧・引用していた。現在はオンラインで読む電子ジャーナルが大半だ。 有力雑誌への掲載は研究者の評価を高めるため、ブランドがある出版社は力が強く値上げがしやすい。近
内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)は誰もが無料で学術論文を読めるオープンアクセス(OA)の普及に向け、国際的な出版社と交渉するオールジャパンの体制を整備する。購読料を論文掲載料にシフトしてOA出版を可能にする転換契約などを促す。秋にも政府のOAの基本方針を策定する方針で、関係省庁や大学などと調整に入った。大学・研究機関の論文コスト負担増の解決に乗り出す。 論文雑誌の出版社は寡占状態で、購読料や論文掲載料は高騰している。対策として、先進7カ国(G7)の広島首脳コミュニケ(共同声明)、科学技術大臣コミュニケでOAを推進する方針が示された。日本政府は論文雑誌の価格交渉を各大学と各出版社に委ねており、欧米に比べて対応が遅れていた。2022年秋からのCSTIの議論とG7を経て、「政府の競争的研究費によって主成果を出した論文は、25年度新規公募分から即時OAとする」方針を公表。公募要
東北大学は学術論文雑誌の電子ジャーナルの購読料を、論文掲載料(APC)に転換する契約に関する支援策を9月に拡充する。国際的な大手出版社2社の対象論文誌を対象に、研究者のAPC負担をより抑えられるようにする。ジャーナルランキングのスコアが高い、他の論文誌への掲載に対する支援も始める。いずれの場合も若手研究者に対してはAPCの全額を支援する。転換によりインターネットでの論文無料公開を可能にし、研究成果の発信力を高める効果が見込める。 転換契約は論文の講読・閲覧(リード)に当たり大学図書館が出版社に支払う費用を、著者(研究者)が払う発行(パブリッシュ)費用であるAPCに転換。あわせて著者が無料発信することでオープンアクセスを可能にするものだ。東北大など国内の複数の大学は、大手学術出版社のワイリー、シュプリンガーネイチャーが発行する多数の論文誌パッケージに対して、この「リード&パブリッシュ」の契約
第46回日本神経科学大会の大会企画として「オープンアクセス化とその課題から紐解く科学と論文の未来」と題するシンポジウムを企画しました。サムネイル画像は共催していただいた東北大学附属図書館職員の方に撮影いただきました。 3S10m オープンアクセス化とその課題から紐解く科学と論文の未来 共催:東北大学附属図書館 ※このシンポジウムは日本語で行われます 日時:8月3日(木)08:45-10:45 会場:第10会場(展示棟1階) オーガナイザー: 大隅 典子(東北大学大学院医学系研究科) 林 和弘(科学技術・学術政策研究所) 演者: 林 和弘(科学技術・学術政策研究所) 指定討論者: 水島 昇(東京大学医学研究科) 上口 裕之(理化学研究所脳科学研究センター) 豊泉 太郎(理化学研究所脳科学研究センター) 奥山 輝大(東京大学定量研) 第46回日本神経科学大会HPより林先生に論文の歴史からオー
2022年7月に慶應義塾大学学術データ管理・利活用ポリシーが策定されました。これは慶應義塾大学での研究において生み出され、また研究において利用される「学術データ」を適切に管理、保存し、可能な限り社会に開かれた形でオープンに利活用できるようにするための指針となるもので、研究連携推進本部が立ち上げた研究データ特別委員会で作成いたしました。ここで学術データとは、研究において実施された実験や観察の生データ、インタビューの音声データ、自分で収集してはいないが分析した政府の統計データなどが対象となります。 なぜこのような学術データに関するポリシーが必要とされるようになったのかは、学術研究活動において現在起きている大きな変容について理解する必要があります。その変容とは、デジタル化を前提とした「オープン」を目指す動きです。社会全体でもデジタル化が進みつつありますが、学術研究分野は社会一般よりもより早い時期
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