北海道大学で産学連携に携わる職員が、大学の研究成果を基に起業したのは42歳のときだ。 当時は、任期付きではない北大の正規職員。 安定を取るか夢を取るか、そんな選択の中で選んだのは起業だった。 創薬の効率化 須佐社長が、創薬ベンチャー・ライラックファーマ株式会社を設立したのは2016年。同年6月に北海道大学を退職した。現在、北大の外部アドバイザーも兼務している。 同社は現在、マイクロ流路デバイスを北大から技術導入し、それを使ったナノ粒子製造技術によって新しいナノ粒子製品・装置の共同開発をするのが事業の柱だ。進行中の共同開発は、化成品大手の株式会社日本触媒(大阪府大阪市)との化粧品素材開発や自動車部品大手の住友理工株式会社(愛知県名古屋市)との装置開発など国内大手を中心に複数にわたる。活用されている技術は、ライラックファーマが北大から特許の使用許諾を得て事業化しているナノ粒子製造用のマイクロ流