東京大学の2022年度入試の全合格者のうち、女性が占める割合は20.8%にすぎなかった。過去最高も21年度の21.1%にとどまる。 実は、女性教員はもっと少ない。教授は1割以下なのだ。 東大文科・類2年の田中妃音(ひめね)さんは入学前、理系に女性が少ないことは知っていた。だが、授業を受けて気がついた。 「語学やジェンダー関係の授業は女性の先生が多いのですが、それ以外の授業は文系でも男性の先生が多いんです」 田中さんは3年次から国際関係論コースに進む予定だ。 「私も大学に残って教員を目指したいのに、身近な先生や大学院生はみんな男性なので『仕事と子育てをどう両立しているの』みたいな話が聞きづらいです。聞けば話してくれるかもしれませんが」 その田中さんが期待する大型プロジェクトが、東大で進められている。27年度までの6年間で、新たに着任する見込みの教授・准教授1200人のうち、女性を約300人に