タグ

ブックマーク / sakuranomori.hatenablog.com (42)

  • 10年トランジション調査に対する教育社会学者の観点 - 群馬大学 二宮祐研究室

    高校・大学・社会 学びと成長のリアル  「学校と社会をつなぐ調査」10年の軌跡 作者:知念渉,中村高康,濱中淳子,板倉寛,真下峯子学事出版Amazon 責任編集者が実施してきた「学校と社会をつなぐ調査」(通称:10年トランジション調査)の発達心理学や青年心理学の観点による分析に対して、3名の教育社会学者、1名の教育行政官、1名の中高教諭経験のある校長がそれぞれの立場から批評を試みるという意欲的な研究である。書籍のタイトルではその意図が見えないようにしているのが少しもったいない。心理学の研究に対する教育社会学による検討、教育社会学の研究に対する心理学による検討が行われる機会はあまりないため、貴重な研究であるとも言える(学術誌の投稿論文における匿名の査読では行われているかもしれない)。 3名の教育社会学者が緩やかに共通してもっている問題意識(それぞれにまったく異なる論点提起も行われている)の一

    10年トランジション調査に対する教育社会学者の観点 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2024/01/20
    "心理学の研究に対する教育社会学による検討、教育社会学の研究に対する心理学による検討が行われる機会はあまりないため、貴重な研究"
  • ■ - 群馬大学 二宮祐研究室

    羽田貴史、2012、「私の東日大震災日誌―京都市・東京都・仙台市・南相馬市・東広島市」『東北大学高等教育開発推進センター紀要』7 先日、ある会議の休憩時間において羽田先生から紀要論文の抜刷を頂いた。すでに、この紀要は東北大学高等教育開発推進センターのウェブサイトで公開されている。 http://www3.he.tohoku.ac.jp/?page_id=700 高等教育「研究」の姿勢でその会議に出席していたため、私的な記録が綴られた文章を頂いて戸惑ってしまった。中性脂肪率や韓国料理屋のママの話しには困ってしまう。しかしながら、よく読み直してみると貴重な記録であることがわかる。ホットメールの利用(とそれに対する否定的な反応)、大学セミナーハウスやオリンピックセンターの利用、迅速なマニュアル作成、パニックに陥った学生への対応など、学ぶべきことばかりである。阪神淡路、東日のそれぞれから目をそ

    ■ - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2024/01/17
    "羽田貴史、2012、「私の東日本大震災日誌―京都市・東京都・仙台市・南相馬市・東広島市」『東北大学高等教育開発推進センター紀要』7"
  • キチョハナカンシャの意味していたもの - 群馬大学 二宮祐研究室

    就活の社会学 作者:妹尾麻美晃洋書房Amazon 書の問いは「なぜ大学生はやりたいことを語り、また問われるのか?」というものである。2012年から2014年頃に大学生を対象として実施したインタビューの結果を対象として分析を行っている。私の記憶では、この頃学生の間で「キチョハナカンシャ」という言葉が話題になっていた。会社説明会の際に学生によって多用される「日は貴重なお話をありがとうございました。さて、御社では~?」というフレーズを面白く表現したものである。この「さて御社では~?」と続く企業に対する質問は、おそらく書が課題とする「やりたいこと(であると、とりあえず学生が認識して表現するもの、または、表現を求められるもの)」との接続が意図されていたはずであり、今となっては含蓄に富むコミュニケーションであったとも思われる。分析においては、特にインターネットを利用して求職者と求人者を結び付ける

    キチョハナカンシャの意味していたもの - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2023/10/11
    "教育社会学の言葉を使ってみれば結果的に「トラッキング」から逃れられないという結論は重要"
  • 10月1日内定式における翌春就職予定者の拘束 - 群馬大学 二宮祐研究室

    毎年10月頃、大学教員が企業における内定式に対して不満を表明することがある。(1)まだ働いていない学生を無給で拘束するのはおかしい、(2)授業やゼミ・研究室(卒業論文)を優先するべきである、(3)企業は日頃から大学に対して教育を充実するように要請していることと辻褄が合わない、(4)せめて平日ではなく土曜日、日曜日に開催してほしい、といった主張である。 そこで、内定式とはそもそも何を意図しているのかに関する研究を探してみることにする。研究検索ウェブサイト CiNii Research を使って「内定式」を探してみると数件しかヒットしない。国会図書館サーチでもあまり変わらない。その中で唯一参考になるのがJIL-PTの記事であった。 小杉礼子、2009、「なぜ内定式は10月1日に多いのか」『日労働研究雑誌』585、62-65 https://www.jil.go.jp/institute/za

    10月1日内定式における翌春就職予定者の拘束 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2023/10/05
    "経済団体の主張、個別企業の経営者の主張、個別企業の採用担当者の主張は必ずしも同じではないし、場合によっては相互に矛盾することもあると理解しておいたほうがよい"
  • マジックワードとしての主体性 - 群馬大学 二宮祐研究室

    企業が求める〈主体性〉とは何か:教育と労働をつなぐ〈主体性〉言説の分析 作者:武藤 浩子東信堂Amazon 書の問題意識は冒頭の「はしがき」で次のように述べられている。 しかしながら、社会には〈主体性〉を求める言説が満ち溢れている。〈主体性〉という言葉の意味は曖昧にされたまま、学校教育においては〈主体性〉の育成がうたわれ、企業は〈主体性〉のある人材の輩出を大学等に求めている。そんなことを考えていたときに、企業は学生の〈主体性〉不足を指摘するが、学生自身は〈主体性〉不足を感じていないという企業と学生の認識ギャップを示す経済産業省の調査結果を見た。そして、大学教育などで育成しようとする〈主体性〉と、企業が求める〈主体性〉には違いがあるのではないか、という基的な疑問が生まれた。企業と大学の間で、〈主体性〉の意味のズレを内包したまま、産業界から大学教育等に対して〈主体性〉の育成要求がなされてい

    マジックワードとしての主体性 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2023/07/17
    "教育機関や職場において半ば強制されるかたちでありながらも〈主体性〉が身に付くというのは人の営みのパラドクスとして興味深い"
  • 大学FD講習会2023夏 教育の内部質保証-初級編- - 群馬大学 二宮祐研究室

    非常勤講師の皆さま、事務職員の皆さま、大学院生の皆さまなどを対象とするFD(ファカルティ・ディベロップメント)講習会を開催いたします。全国の教育機関やそれに類する機関にご所属なさっている方であれば、どなたでも参加いただけます。内容は群馬大学において教員向けに実施しているFD講習会とほぼ同様のものになります。参加を希望なさる方は下記の申し込みフォームをご利用ください。 大学FD講習会 2023夏 教育の内部質保証 -初級編- 【日時】2023年8月7日(月)19:30-20:30 【会場】オンライン(Zoom) ☆参加申し込みフォーム☆ forms.gle ☆大学FD講習会2023夏についてのその他のお問い合わせはこちらから☆ forms.gle

    大学FD講習会2023夏 教育の内部質保証-初級編- - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2023/07/07
    "全国の教育機関やそれに類する機関にご所属なさっている方であれば、どなたでも参加いただけます。内容は群馬大学において教員向けに実施しているFD講習会とほぼ同様のもの"
  • 日本型大衆社会の収縮 - 群馬大学 二宮祐研究室

    低所得層家族の生活と教育戦略 ――収縮する日型大衆社会の周縁に生きる (生活困難層の教育社会学 大規模公営団地継続調査 1巻) 作者:山田 哲也,松田 洋介,小澤 浩明,樋口 くみ子,前馬 優策,長谷川 裕明石書店Amazon この書籍では第1期調査(1989~1992年)、第2期調査(2007~2011年)、第3期調査(2014~2016年)に行われた質問紙調査、インタビュー調査を必要に応じて時期間で比較する分析が扱われている。私(二宮)が学部生のときの講義で習ったのは第1期調査のことである。第1期では住民間の「うわさ」によって地域に分断がもたらされるという事実が極めて印象的であった。当時の講義では調査者による子どものサブカルチャーへの親しみに対する解釈が納得できなかったという記憶を引きずりながら、再度団地の生活について勉強する(私自身はかつての公団団地(高層集合住宅)住人である)。

    日本型大衆社会の収縮 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2022/10/22
    "低所得層家族の生活と教育戦略―収縮する日本型大衆社会の周縁に生きる"
  • 不登校についての知識のブラッシュアップ - 群馬大学 二宮祐研究室

    大学院の後輩である樋口先生からお送り頂きました。ありがとうございます。 先生にお会いしたのは私が博士後期課程の頃でした。会社を辞めて修士課程に進学したものの、周囲から研究したいことが理解されずに落胆したまま修士を修了し、再度日中は別の会社で働きつつ夜間にある研究機関の無給インターンのようなことをしていて、その夜の学習で従来の教育諸学とは異なる一般的な(?)政策に対するアプローチの方法を身につけて、多くの方にご迷惑をお掛けしながらも再起を図るべく博士後期課程へ進学した時期のことでした。そのときに次に引用するような先生のご経験のお話しを伺って、とても勉強になったことをよく覚えています。 不登校後を生きる 作者:樋口 くみ子学びリンクAmazon 私は今、国立大学で准教授をしている。専門は社会学だ。3歳の子どもを持つ母親でもある。しかし、これまでの人生を振り返ると、先の見えない迷路を右往左往しな

    不登校についての知識のブラッシュアップ - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2022/07/22
    樋口くみ子(2022)不登校後を生きる
  • 前垂れとグルントリッヒ - 群馬大学 二宮祐研究室

    実務と教養をつなぐ:秘書教育プログラムの成立と変容 作者:江藤 智佐子学文社Amazon 著者よりお送り頂きました。ありがとうございます。 博士論文を加筆・修正したものであり、とても多くの論点が含まれている貴重な研究である。考察の主な対象は副題に示されているとおり「秘書教育プログラムの成立と変容」という、いわば「局所」的な教育の内容や方法である。しかし、教育と社会との関係についての戦後史を考えるための長い射程をもっていることがこの研究の特徴であるだろう。経営学的な人材養成教育だから、短期大学教育だからなどの理由で読むのを避けてはいけない。それは次の2つの理由によるためである。 第1に、社会学であればこの書籍をジェンダー研究として扱うことができるからである。たとえば、著者が短期大学発展期(1981~1995年)と捉える時期は次のように説明される。 このような学歴観と性別役割分業観が残る中、「

    前垂れとグルントリッヒ - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2022/05/30
    江藤智佐子(2022)実務と教養をつなぐ:秘書教育プログラムの成立と変容の書評。興味深い。
  • 高等教育論セミナー2021秋「戦後日本の高等教育政策②1971~1991」 - 群馬大学 二宮祐研究室

    高等教育論セミナー2021秋「戦後日の高等教育政策②1971~1991」 大学・短期大学にお勤めの事務職員/教員、高等教育論に関心を持つ大学院生を対象としたセミナーを開催いたします。仕事として高等教育に関わることになった/これからそうなるものの、これまで高等教育論、大学史、教育社会学の講義を聴いた経験があまりない方を対象としています。予備知識は不要です(担当講師がかつて非常勤講師として勤務していた大学で開講していた教養教育科目「高等教育歴史的展開」と同等の水準・内容です)。 セミナーの目的は、主に事務職員の皆さまの高等教育に関する知識を高めることにあります。なお、セミナーは担当講師の所属機関・部局による主催ではありません。担当講師による自発的な社会貢献の企画です。そのため、聴講したことを証明する文書の発行などはできません。 担当講師:二宮 祐 群馬大学 学術研究院(主担当 大学教育

    高等教育論セミナー2021秋「戦後日本の高等教育政策②1971~1991」 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2021/10/06
    "2021年11月24日(水)19:00~20:30オンライン開催(Zoom)"
  • 「大学教育センター」のその後 - 群馬大学 二宮祐研究室

    2008 年に大学設置基準が改定されて、FD(Faculty Development)が義務化された。その前後、各大学は「大学教育センター」(通称、ダイキョーセンター)やその類似名称のセンターという組織を設置して、専任教員を配置することになった。当時の国立大学における「大学教育センター」は学部から選出されたセンター長1名、センター所属の教育系学者(教育学者、教育工学者、教育心理学者(キャリア発達論を含む)、教育社会学者など)0名~3名、センター所属の工学、医学、語学など特定の学問分野における学部教育の内容・方法に詳しい学者0名~3名、各学部・学科から選出された兼務教員複数名という組織構成が一般的であっただろう。 当該設置基準改定から12年が経過した。国立大学の「大学教育センター」はその後に生じた政策課題に対応するべく、改組を求められることが多くなった。センター所属の学者は改組後の組織に残っ

    「大学教育センター」のその後 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2021/06/20
    “どの分類であっても教育系学者の割合が減少した印象”
  • 学修時間についてのフレッシュパーソンの負担感 - 群馬大学 二宮祐研究室

    今年の全国の大学1年生に関して、宿題が多すぎるという噂を聞くことがある。 ところで、大学は以下に示すような「大学設置基準」という法令に基づいて宿題―授業時間外の学修―を大学生に対して課すことになっている。 大学設置基準 第二十一条 各授業科目の単位数は、大学において定めるものとする。 2 前項の単位数を定めるに当たつては、一単位の授業科目を四十五時間の学修を必要とする内容をもつて構成することを標準とし、授業の方法に応じ、当該授業による教育効果、授業時間外に必要な学修等を考慮して、次の基準により単位数を計算するものとする。 一 講義及び演習については、十五時間から三十時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。 二 実験、実習及び実技については、三十時間から四十五時間までの範囲で大学が定める時間の授業をもつて一単位とする。ただし、芸術等の分野における個人指導による実技の授業に

    学修時間についてのフレッシュパーソンの負担感 - 群馬大学 二宮祐研究室
  • 科研費「高等教育学関連」 - 群馬大学 二宮祐研究室

    科学研究費助成事業の研究分野申請区分に「小区分09050:高等教育学関連」が設定されてから数年が経過する。そこで、科学研究費助成事業データベースを利用して、「高等教育学関連」で採択された課題の傾向を検討してみたい。小区分を「高等教育学関連」とすると、252件の検索結果を得ることができる。 なお、以下の分類は、私(二宮)が課題名称のみから独断で行ったものである。 (1)教育内容・教育方法 最も多いのは、高等教育の内容・方法を開発、研究しようとするものであり、3年間で93件採択されている。研究代表謝の詳細についてここでは伏せているものの、教育学、教育工学とは関係のない、医学者、工学者などが多く採択されていることが特徴的である。今後も、幅広い分野の研究者が「高等教育学関連」に応募するものと思われる。 国際教育寮における教育効果を目指した育成プログラムの開発 20K14037 若手研究 アクティブ

    科研費「高等教育学関連」 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2020/05/30
    “「高等教育学関連」の3年間合計採択件数が多いのはどこだろうか。第1位は東北大学11件、第2位は名古屋大学9件、第3位は大阪大学と立命館大学8件、第5位は金沢大学と早稲田大学7件”
  • 指導者としての資質・能力:大学の学長編 - 群馬大学 二宮祐研究室

    学長リーダーシップの条件 作者:出版社/メーカー: 東信堂発売日: 2019/12/09メディア: 単行(ソフトカバー)経営学において研究されてきたリーダーシップ論と同じ部分と異なる部分について知りたいと思った。たとえば、金井・高橋(2004)では、観察、インタビュー、質問紙調査の回答を対象とした因子分析などから、多くの研究において「課題(仕事)関連」と「対人関係(人間)関連」の「ロバストな2軸」が見られるという(書とはまったく関係なくいま二宮が進めている研究に関連して、この2軸はあくまでもリーダーシップに関する研究なので、これを一般的なコンピテンシーへ「応用」する際にはそれなりのロジックが必要である)。たとえば、日におけるPM理論では、P(Performance function)が「課題(仕事)関連」であり、M(Maintenance function)が「対人関係(人間)関連」

    指導者としての資質・能力:大学の学長編 - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2019/12/23
    "私にとってもっとも興味深かったのは、そうした統計分析ではなく第2章「大学上級管理職向け研修・教育プログラムの現状と課題」"
  • 「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)(中教審第211号)」を読む - 群馬大学 二宮祐研究室

    50年目の「大学解体」 20年後の大学再生: 高等教育政策をめぐる知の貧困を越えて 作者:佐藤 郁哉出版社/メーカー: 京都大学学術出版会発売日: 2018/12/18メディア: 単行 当然ではあるが、現状把握、政策立案、政策実施の全ての局面に対して「エビデンス・ベースト」の発想を適用していくためには、それに関わる政策文書や行政文書が論理的で明晰な文章として組立てられていなければならない。そうでなければ、それぞれの局面を担当する関係者のあいだで重大なミスコミュニケーション、あるいはまた無用な「忖度」ないし斟酌が生じてしまうことは避けれらないだろう。 よく知られているように、日の行政当局が作成してきた文章は、この点に関してきわめて深刻な問題=症状を抱えている。実際、高等教育行政に限ってみても、それらの文章ですぐ目に付くのは、おびただしい数のポンチ絵であり、またきちんとした文章としての体を

    「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)(中教審第211号)」を読む - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2019/12/04
    こういうことを「クリティカルシンキング」という。
  • 高等教育研究者に対する問題提起 - 群馬大学 二宮祐研究室

    広田照幸、2019、『大学論を組み替える―新たな議論のために―』名古屋大学出版会 www.unp.or.jp https://www.amazon.co.jp/dp/4815809674 著者からお送り頂きました。ありがとうございます。 教育に関する社会史や、現代の初等中等教育や生徒・児童の諸「問題」に関する言説を対象とした研究を続けてきた著者が、教育の専門家として「大学改革」への貢献を期待されて対応しつつ、しかし同時に、そこに生じている様々な矛盾を無視できるわけでもないという状況において、7、8年間かけて書かれてきた論考をまとめたものである。 冒頭では高等教育研究者に対して苦言が呈されている。 大学について考えてみようと思って文献を探すと、これまた一九九〇年代半ばころから爆発的な増加が始まり、近年は山のように出されていることがわかる。しかし、そこには何かが足りないような思いを感じてきた。

    高等教育研究者に対する問題提起 - 群馬大学 二宮祐研究室
  • シグナリングだいすき - 群馬大学 二宮祐研究室

    大学なんか行っても意味はない?――教育反対の経済学 作者: ブライアン・カプラン,月谷真紀出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2019/07/17メディア: 単行この商品を含むブログを見るシグナリング・モデルによって学業達成と職業・収入との結びつきについて、ほとんどのことが説明できるということを丁寧に説明している。たとえば、残り1単位で学士号が取得できるのだけれども、交通事故に遭って試験を受けられなかった場合、もう1学期登録して卒業証書を入手するべきか、諦めて中退するべきか、という問いが提起される(p.135)。人的資モデルが妥当ならば獲得したスキルが減るわけでもないので中退が正解、シグナリング・モデルならば「シープスキン効果」があるので授業料を余計に払ってでも卒業するのが正解、さて、どちらが収入を高めることにとって妥当だろうかというものである。筆者は人的資論ももちろん間違いでは

    シグナリングだいすき - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2019/10/29
    "どうして日本においても、人的資本ではなくシグナリングがトランジションの解釈枠組みとして強く好まれてきたのだろうか。考えてみるととてもおもしろい"
  • 各大学で開講されている「高等教育論」(1) - 群馬大学 二宮祐研究室

    学部生が高等教育論を履修できる大学はどれくらいあるだろうか。また、そこで伝達されている高等教育論の知識とはどのようなものだろうか。以前にも調べて掲載してみたことがあるのだけれども、再度探索してみよう。 いくつかの大学のシラバス(2018年度版)で「高等教育」を講義名称に含んでいるものを探して、その講義内容を抜粋してみた(通信制、演習等科目、大学院科目を除く)。「大学」や「大学教育」を講義名称にするものは、初年次科目や自校史などが含まれることがあるためや、第三段階教育を射程に入れていないために対象外にした。そのことにより、東北大学、同志社大学などで開講されている「高等教育」に相当する講義は挙げていない。以下に並べる大学の順序について特に意味はない。 1.東京大学教養学部(前期課程) 「高等教育論入門」小方直幸 第1回 大学の制度・歴史(1)、第2回 大学の制度・歴史(2)、第3回 入試と選抜

    各大学で開講されている「高等教育論」(1) - 群馬大学 二宮祐研究室
    high190
    high190 2019/02/08
    “学部生が高等教育論を履修できる大学はどれくらいあるだろうか。また、そこで伝達されている高等教育論の知識とはどのようなものだろうか”
  • 教育社会学会公開研究会参加―アクティブラーニングの諸相 - 群馬大学 二宮祐研究室

    http://www.gakkai.ne.jp/jses/2018/10/19111635.php教育社会学会第70回大会課題研究Ⅲ「アクティブラーニングの教育社会学」公開研究会(11月6日)に参加してきた。主として高等教育におけるアクティブラーニングがテーマとなっていて、初中等教育におけるそれは検討の対象外となっている。 以前から気になっていたことは、登壇者からも紹介があったようにアクティブラーニング形式の授業は昭和後期や平成に新設された私大でよく導入されていて、それに比べれば国公立大や戦前に創立された大規模私大ではあまり導入されていないということに関連するテーマである。アクティブラーニングは(この言葉は意味が曖昧なので好みではないのだけれども、わかりやすいと評価する方もいるのであえて使うと)「上から」導入が求められているのだけれども、その「上」が導入を特に期待するような伝統ある選

    教育社会学会公開研究会参加―アクティブラーニングの諸相 - 群馬大学 二宮祐研究室
  • 「"就活で学業がおろそかになる"はデタラメ」と言い切れるか - 群馬大学 二宮祐研究室

    headlines.yahoo.co.jp president.jp 「"就活で学業がおろそかになる"はデタラメ」という記事を読んだ。日経団連が2021年春入社予定となる学生の就職活動について「採用選考に関する指針」を策定しない、すなわち、採用活動開始時期の自由化を認めることを発表したことを受けて、大学関係者の一部が動揺していることに対して、その動揺が的外れであることを指摘する文章である。 記事は、 たくさんの大学生と企業、人事担当者と話しをした経験からすると、「就活のせいで、学業がおろそかになる」という主張は根拠のないデタラメである。学業をおろそかにしているのであれば、それは就活ではない、別の理由によるものだ。 大学の「現場」の実感としては、就活と学業は二項対立的な関係ではない。相互補完的な関係である。 これからの採用活動は、夏休みや春休みなどの大学のまとまった休みに行い、合わせて、イ

    「"就活で学業がおろそかになる"はデタラメ」と言い切れるか - 群馬大学 二宮祐研究室