伊藤信太郎環境相は8日、東京都内で取材に応じ、今月1日に熊本県水俣市で開かれた水俣病の犠牲者慰霊式後の被害者団体などとの懇談会で、環境省側が団体側の発言中にマイクの音を切るなどした問題を受けで、自身が同日午後、現地を訪れ関係者に直接謝罪する方針を明らかにした。 環境省側は前日7日の記者説明の場で、伊藤氏は水俣病を担当する特殊疾病対策室長に、水俣市に出向き団体側に直接謝罪するよう指示を出したと説明。この際、担当者ではなく伊藤氏の対応を問う質問も出ていたが、前日から一転、担当者ではなく大臣が直接出向くことになった形だ。 伊藤氏は、この日の取材で「時間を超過した一部の方について、発言の途中でマイクの音量を切る運用をしたことは大変遺憾。発言されていた方に対して大変申し訳ない思いだ。深くおわびを申し上げたい」と、謝罪。「深い反省の上で、どのようにすれば皆さまに寄り添った懇談ができるか検討していきたい
水俣病被害者側の発言の途中でマイクを切ったことについて謝罪する伊藤信太郎環境相=東京都千代田区で2024年5月8日午後0時9分、山口智撮影 水俣病の患者・被害者らと伊藤信太郎環境相との懇談で、被害者側のマイクの音が途中で切られた問題で、伊藤環境相は8日、熊本県水俣市に行き、被害者らに直接謝罪することを明らかにした。 【写真まとめ】懇談当日、消音について問われた環境相や職員の表情 伊藤環境相は同日、報道陣の取材に応じ、「マイクを切ったことは大変遺憾であり、申し訳ない。深くおわび申し上げる」と述べた。 懇談の場は1日、水俣病公式確認から68年を迎えた慰霊式の後に水俣市内で開かれた。八つの団体の代表がそれぞれ3分間の持ち時間で国への要望を述べていた中、持ち時間を超過した2団体に対し、司会役の職員がマイクの音を切った。 環境省特殊疾病対策室によると、持ち時間を超えた場合にマイク音を切るという方針を
九州弁護士会連合会は会見を開き、国や熊本県に対し、水俣病被害者の早期救済を求める声明を発表した。 また、九弁連は5月1日に伊藤環境大臣と被害者団体との懇談の席で、マイクの電源を切って団体の代表の発言を制止した環境省側の姿勢を批判した。 【画像】前代未聞の事態に紛糾する現場 前代未聞の対応に被害者団体側が抗議5月1日に熊本・水俣市で開かれた慰霊式の後、伊藤信太郎環境大臣が患者・被害者団体と意見交換を行った。 この中で、団体の代表の発言が長引くと、進行役の環境省の職員がマイクの電源を切って発言をたびたび制止。前代未聞の対応に団体側が抗議し、環境省の職員に詰め寄った。 翌日に熊本市内で会見を開いた九弁連・九州弁護士会連合会は、環境省の姿勢を批判した。 九弁連・稲津高大理事長: 直接の当事者、被害者の話を聞くことは、円滑な進行よりも優先するべきことではないか 九弁連(人権擁護委員)・三角恒弁護士:
熊本県水俣市で1日に開かれた水俣病の患者・被害者団体と伊藤信太郎環境相の懇談会で被害者側の発言が制止された問題で、環境省は7日、発言者2人の話の途中でマイクの音を切ったことを認め、近く謝罪する意向を明らかにした。「不信感を抱かれる不適切な対応だった」としている。 【写真】国の対応に非難の声を上げる患者団体の関係者ら(手前)=1日午後、水俣市の水俣病情報センター( 水俣病対策を担当し、懇談会の司会をした特殊疾病対策室の木内哲平室長が、水俣病被害者市民の会の山下善寛代表、水俣病患者連合の松崎重光副会長に直接謝罪する。同日午前、伊藤環境相から指示があった。 木内室長は「マイクの音を切ることがあると事前にアナウンスする予定だった。焦っていて(原稿を)読み飛ばした」と説明。発言が一定時間を過ぎた場合にマイクを切る方針は昨年もあったが、実際に切ることはなかったという。 改めて懇談の場を設ける考えはない
熊本県水俣市で1日に行われた伊藤信太郎環境相と水俣病患者・被害者団体との懇談の際、環境省職員が被害者側の発言中にマイクを切って制止した問題で、伊藤氏が8日午後に同市などを再訪し、被害者側に直接謝罪する方向で調整していることが、関係者への取材で分かった。 【画像】出席者の発言途中でマイクが切られ、紛糾する懇談 懇談では、水俣病患者連合・松崎重光副会長や水俣病被害市民の会・山下善寛代表の発言中に時間を超過したとして、職員が一方的にマイクの音声を切った。伊藤氏は松崎さんを訪問し、謝罪する意向という。 (古川剛光)
水俣病の被害者側と伊藤信太郎環境相の懇談の場で被害者側の発言が制止された問題で、環境省は7日、団体側の発言中に持ち時間の3分を経過したため、発言者2人のマイクの音を切ったと認めた。水俣病対策を担当する特殊疾病対策室長が8日に被害者側に謝罪する方針を明らかにした。伊藤環境相から謝罪の指示があったという。 【写真】「怨」と書かれた旗が立つ。水俣病第1次訴訟判決時に熊本地裁前で開かれた「水俣病を告発する会」の集会=1973年3月20日 林芳正官房長官は7日の記者会見で「関係者の意見を丁寧に聞く重要な機会に、不快な気持ちにさせてしまい適切だったとは言えない」とした。 懇談の司会を担当した木内哲平室長は7日、記者団に対し、マイクの運用について事前にアナウンスする予定だったが「読み飛ばした」と説明。発言中に音を切る行為は「不信感を与え、不適切だった」と述べた。今後の懇談については「円滑な運営を検討する
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